時間軸設定(松野おそ松)
DOGOD69様よりお題「漢字五文字」お借りました。

こういうのってよくある事なのかも知れないけど、同窓会の3次会が終わった頃(時間で言えば深夜の1時過ぎ)俺は片手で数えられる程度の同級生たちと一緒にいつの間にか出身高校の教室に居た。誰がどうして高校に行こうと言ったのか覚えていないし、誰がどうやって校舎の鍵を開けて教室に忍び込めたのかもわからない。窓ガラスを割るとか、そういう乱暴なことはしていないのは確かで、誰かが魔法でも使ったみたいに鍵を開けてしまったのだ。あるいは校舎のほうが俺たちの侵入を待っていたのかもしれない。そう思うのは俺がいい加減まっすぐ歩けないくらいに酔っ払っているからだろう。うんざりするほど酔っ払っているんだ、正直なところ。同窓会なんて本当は参加するつもりじゃなかったんだけど、高校のとき割と仲良くしてた奴が「松野がいねぇとつまんねぇよ」って、気前良く参加費も持ってくれるってんで、タダ酒が飲めるなら行くしかない!と景気のいい奴の案に乗った。飲めば酔えるし、酔えば楽しいし、楽しければ飲むしで本当に数も数えられないくらいに酔っ払って、いつのまにか終電も逃してて、あぶれた奴らで肩とかくんでご機嫌な徘徊が始まった。どっか適当なところで小便を済ませると、次第に頭の中のもやが薄らいで行った。気がついたら俺は教室に居た。

1人暗くて薄ら寒い教室で頭をひねったって、どうして自分がここに居るのか思い出せなかった。ただ隣かそのひとつ向こうの教室では連れの話し声が聞こえていたから、おいて行かれた訳ではないという事はわかった。アルコールの所為で体が砂袋みたいに重たい。その辺の椅子をひいて腰を下ろして、教室のふちの掃除道具が詰め込まれた異臭を放つロッカーから、ぐるりと黒板をなぞって、窓の外まで眺め回した。どうやら俺は2階か3階に居るらしい。よく茂った落葉樹がさわさわと風に揺られていた。腹の上で両手を組み、目を閉じて風の音を聞いていると、少しはなれたところから机と椅子がぶつかり合うような音と、控えめなあえぎ声がきこえてきた。マジかよ、神聖な学び舎でおっぱじめちゃったよあの人たち。からかいに行ってやっても良かったけど、体が重たくてそんな気分ではなかった。じっとして風の音と小さな喘ぎ声を聞きながらゆっくりと呼吸を繰り返す。このまま意識の深いところに潜り込んでいって、出来れば心地のいい夢を見たいと思った。だけど、俺はそんな願いを俺自身の記憶に邪魔されてしまった。

「松野くん」

俺の耳元でみょうじ先輩がくすぐったい声で囁く。机に座った俺の太ももを、白くて細い手で何度もなでながら、セーラー服に包まれた若くてあたたかい身体を摺り寄せてくる。慣れた手つきで俺の学ランを乱していくみょうじ先輩を見ていられなくて、あの時もこの窓から見える広葉樹を見ていた。それは丁度いまと同じように風に吹かれてさわさわと鳴っていた。ぞっとするくらい気持ちが良くて、先輩のくちびると、手と、身体の事、それ以外のことを考えていないと直ぐにでも射精してしまいそうだった。みょうじ先輩が何か俺に優しく話しかけながら、がちがちになった俺の股間を手のひらでなでると、嘘みたいにごくりとのどが鳴った。そしたらみょうじ先輩が笑って「松野くんて、かわいいね」と、まぶたにくちびるで触れた。まぶたから肌を撫ぜて鼻筋で髪をよけながらこめかみ、耳にキスをして、音を立てながらあご、首筋、鎖骨に下を這わせて吸い付いた。「松野って、呼ばないでください」俺は声が裏返らないように細心の注意を払いながら口を開いた。みょうじ先輩は俺のシャツの中にもぐりこんで、乳首にくちびるを寄せたまま笑った。よく笑う人だったし、とても愛らしい笑い方をする人だった。だから、みょうじ先輩に誘われた時、あまり躊躇うことなく承諾したんだ。

「ごめんね、おそ松くん」

破裂しそうに勃起したちんこを少し強めに握りこまれて、パンツの中でねちゃっと音がした。そのまま強めに扱かれてあっという間に射精する。「みょうじっ先輩、でるっ」目をぎゅっと瞑って、みょうじ先輩にしがみつくと、案の定笑われて「出していいよ、おそ松くん」と髪にキスされた。15歳の男子が体験するには気持ち良すぎる射精だった。みょうじ先輩の身体にしがみついたまま、だらしなく喘ぎながらびゅるびゅるとパンツの中にすべて出し切った。そのままちんこから魂も出て行ってしまうんじゃないかってくらいに長くてしっかりした射精で、みょうじ先輩は俺の精液で手を汚しながらも、最後までしっかり搾り出してくれた。きっとみょうじ先輩はその後俺とセックスしたかったんだろうけど、初めて自分以外の人間の手で射精した俺に、もうそんな余裕なくて、机からずり落ちないように踏ん張ってるのが精一杯で、その日はそのまま帰ることになった。みょうじ先輩はかばんから携帯用のウェットティッシュを取り出して、自分の手と俺のちんこをきれいにふき取ってくれた。世話かけさせておいてそんなのって失礼だけど、みょうじ先輩はすごく精液が似合う人だと思った。射精の余韻に浸ってぼーっとしてる俺に「大丈夫?」「1人で帰れる?」と訊いてくれるみょうじ先輩に「はい」としか返せず、気の利いたことひとつも言えないまま、帰る支度を済ませたみょうじ先輩が教室を出て行くのを見送った。

「そういえばおそ松くん」

ひょこっと教室を覗き込んだみょうじ先輩がまじめな顔で俺を見た。

「私のこと、どう思う?」



精液が似合う人だなあと思う、なんて、まさか言ってないと思う。けど、実際あの時はつかれきってて、正直なところ自分がなんて言ったか覚えてなかった。それでも次の日みょうじ先輩はいつもの笑顔で「おはよう、松野くん」と挨拶してくれたから、失礼なことは言わなかったんだろう。えらいぞ、俺。目を開くといつのまにか喘ぎ声は聞こえなくなっていて、広葉樹を揺らす風もやんでいた。ひょこっと教室を覗き込んだ連れが俺を見て笑う。「松野、もしかしてそれって俺らの所為?」にやにや笑いで指差された俺の股間は見事に勃起してズボンのチャックを押し上げていた。「そうだよ、お前らの所為だよ、責任取れ!」冗談で男のほうに飛び掛れば、ぎゃーだとかわーだとか言って暴れだす。悪ノリでそのまま男の方を押し倒して、のしかかってやれば笑い狂いながら松野お願い優しくしてとか言い出す始末。神聖な学び舎でセックスするような奴にやさしく出来るか!って、尻をぶん殴ってやる頃には俺の勃起も治まっていた。その場で同級生と別れて、1人家に向かって歩き始めたのはもう午前3時を過ぎていた。「おそ松くん」目を閉じると、まだ先輩の声が聞こえる気がした。私のこと、どう思う?キスがうまいとか、おっぱいがやわらかいとか、笑い方がかわいいとか、今思い出してもやっぱり精液がよく似合う人だと思う。私のこと、どう思う?「こっちが訊きたいよ、みょうじ先輩」

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