黒子テツヤと生ビール
生ビール/黒子テツヤ

「生おかわりお願いします」何杯目か分からないお代わりコール。目の前の黒子くんは顔色も変えなければ意識も呂律もはっきりしてて、こうして居酒屋に入る前と何か変わったかと言えば堅苦しいスーツを脱いで、シンプルな淡い水色ストライプのワイシャツの袖口のボタンと胸元のボタン1つを外して、少し緩めたネクタイを、ぶらぶらと邪魔にならないように胸ポケットにつっこんでいるって格好になったってだけで…あれ?けっこうリラックスモードに変わってたわダメだ私が酔ってるから思考がおかしいのね。テーブルに並んだ小鉢の枝豆に手を伸ばし口元に運ぶ。元気な居酒屋店員からなみなみとあわあわとジョッキいっぱいのビールを受け取る黒子くん。慎重にビールを受けるため力のこもった右腕の筋が暴力的に色っぽい。ひょろいひょろいと言われながらもそれは屈強過ぎるチームメイトやバスケ仲間の偏見的な意見であって、一般的に見れば黒子くんはちょうど良く引き締まったいい身体してるんだ。細マッチョだ。真っ白で物腰柔らかで可愛い中性的な顔なのに、ああ、ほら、受け取ったビールの飲みっぷりと言ったら。ごっくごっくとさらけ出されて蛍光灯に照らされた喉は筋張ってて、飲み下す間隔に上下する喉仏は立派だ。煮魚を繊細な箸さばきでつつき、崩し、あたたかな脂が泳ぐ煮汁でテーブルを汚さないように、顔を突き出して端を運ぶ、ちょっとお行儀は悪いけど、そういうふとした所で男の人っぽさを見せつけてくる黒子くんはずるい、はんそく、あとビール飲みすぎお酒強すぎこれ割り勘だったらわたし怒るからね「あっ、ちょ」枝豆を持っていた手をぐっと、力強く引かれる。心臓が飛び出しそうなくらい驚いた、ときめいた、力強っ

「それ殻ですよ、酔っ払いさん」

ほらすぐそうやって可愛く笑う。ずるいよ黒子くん。
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