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えっへん!ごきげんうるわしゅー全国の皆さん!!さて、ここで問題です!ちゃちゃちゃん!今日は何の日でしょう?!…。そう!!大正解!今日11月30日は俺!常伏が産んだ鬼才!向かうところ敵なし女子なし規制なしの安田貢広の生誕日…うぉたんじょーびなんです!!知ってた?知ってた?!えっへえっへへへ!!11月30日!!いいさおの日っつってさぁ!!ぎゃははは!!これ学校で言ったら藤に「自主規制入れろ」って言われたけど、そしたら鏑木が「さおって釣竿でしょ?なんで規制…」ってぽかーんってしててぎゃはは!!藤の思考回路もあんま俺のと変わんねぇんだな!!あいつマジで今にイケメンの皮剥がしてやる!!さお=ちんこって直結回路は男子なら誰でも備えている予備知識なわけだけど…なんか勝った…!!って感じするよなぁ!!藤のあの屈辱にゆがんだ不細工な顔…!マジでみょうじにも見せてやりたかったなあ!!あ、そうそう俺は今大好きなみょうじちゃんが俺のおうちに来て誕生日パーティーしてくれるってんで(こういうのって俺ん家でやるもんなのか?普通お呼ばれするもんじゃないのか?)とりあえず部屋を片付けて、去年のクリスマスにクリスマスパーティーやったときの残りの飾りを使ってお部屋をキラキラぴかぴかにしたわけなんだが…パーティーって言葉に乗せられて浮ついてデコレーション?イルミネーション?したわけだけど…俺の部屋、どうみてもクリスマスにわくわく浮かれちゃってる子の部屋だよな…?ドアにちっちゃいリースまでぶら下がっちゃってるし…これ、みょうじが見て「安田くん、そんなにクリスマス楽しみなの?!私が用意したお誕生日パーティーよりも、クリスマスのほうがいいの?!もう安田くんなんか嫌い!オナホールの変わりにクリスマスリースにぶち込んでればッ!!」って怒って帰っちゃったら困るよな…。いや、まぁ…みょうじに限ってそんなこと無いとは思うけど…

「一応、はずしておこう…」

しかもなぜか内側に飾ってあるし…こういうのって普通外側に飾っとくもんじゃねぇの?あれ?どうなの?どっこいしょーって席を立って(部屋の中心あたりにテーブルを立ててあって俺とみょうじが向かい合えるようにクッションを配置してある。その青いクッションが置いてあるほうが俺の席。ピンクがみょうじの。)ドアまで歩いてリースに手をかけ…

「こんにちわー!安田くん!」
「ふがッ…!!」

ばーんっとみょうじが部屋に入ってきた所為でドアと仲良くなっちゃった俺。鼻…折れそう…ってか折れた?血でてない…?あ、大丈夫っぽい…しかし痛ぇ

「ぎゃあッ!安田くん…!!大丈夫?!」
「お、おう…なんとか…みょうじ、いらっしゃい」
「な、ならいいんだけど…ごめんね、お邪魔します…」

なーんか変な感じに誕生日会が始まりました…でも、みょうじめちゃめちゃ可愛い…!!もこもこしたワンピースに黒ニーソ…黒ニーソ!!髪の毛もなんかふんわーり決めちゃって…天使だなこれ。天使。机を挟んだ向こう側でみょうじがなんか一生懸命しゃべってるんだけど、あんま聞こえねぇ…部屋あっためすぎた所為でぼうっとしてんのか、みょうじが可愛すぎる所為か…後者だな。だって俺の股間がそう言ってる。

「っで、恥ずかしいんだけど手作りです!」
「…へ?」

ねぇ安田くん、私の話聞いてたー?困ったように笑ってみょうじがどこからかケーキを取り出してきて机の上にとんっと乗せた。…え、手作りってこれのことっすか…?ケーキ?!…手作りバースデーケーキ?!

「マジっすか?」
「マジっす!あ、でも味のほうは大丈夫だと思うの!花ちゃんのお父さんに作り方教えてもらったから!」

花ちゃん家ケーキ屋さんなんだよ!ろうそくを立てながらにこにこしゃべくるみょうじが可愛くて手作りケーキが嬉しくて…俺、なんかもう…1歳年とるってことよりも、今こうやってみょうじと一緒に居る方が人生の中で価値観高いんじゃないかって思える。ってかそうだな。みょうじの手作りケーキはいたって普通のアレ。なに?ショートケーキみたいな?たっぷりの生クリームに真っ赤なイチゴ。真ん中にチョコの板があって「やすだくんおめでとう」の白いチョコペンの文字が尻すぼみに右上がり。なんか、こう…きゅうんって…心臓の辺りがきゅうんってして、ちょっとじーんときた。涙でちゃいそうだ…。俺ってこんな感じだったっけ?

「あ、ついちゃった」

デコレーションの生クリームがろうそくを並べるみょうじの指にぺちょっとついた。悪戯っぽくそれを舐めとるみょうじ…。赤くて小さな舌が覗いて、白い生クリームを掬い取るようにぺろり。…ぺろり…ぺろぺろれろれろべちょぬちゅくちゅくちゅぬちゃむちゅべろんべろんあっあんああっやすだくっらめぇクリームらめっ生クリームぅべたべたするぅうあんやすだくぅっあああっあっあっなまっらめぇえ…!!

「安田くん?」
「生はダメだ、」
「大丈夫?やっぱさっき頭打ったの効いてる?」
「大丈夫、ちゃんとするから」
「うーん、なんかかみ合ってない気がするけど…」

ろうそくを並べ終えたみょうじは俺の向かいに座りなおして床においてある自分のかばんをするするっと自分の足のほうに寄せた。ニコニコしてるけど、すっげぇそわそわしてる…可愛いなあ…きっとサプライズで他にもプレゼント用意してくれてんだろうなあ…あんまりさ、サプライズの内容とか予想するのってよくないけどさッ!みょうじがしてくれることなら、サプライズだろうとシナリオ通りだろうとなんだって嬉しいからいいんだッ!!っていうか、その『俺になんかしてあげよう』ってみょうじが考えてくれてんだって思うだけでもう…びんびんです。

みょうじが着火マン?でろうそくに点灯。俺が急いで部屋の電気を消すとみょうじは「仕事はやー」って笑った。ろうそくのオレンジ色の火に照らされたみょうじの顔はいつもより優しく笑ってるように見えて、もうさっきからのドキドキが止まんない。それどころか急上昇しまくり限界点突破しそう。

「おたんじょうびおめでとう、みつひろくん」
「うっあッ!いまっ…!わッ…あ、ありがとう…ございます」

なんだこの天使は…!!

みょうじの目に映ってるろうそくの火が揺れると、なんかみょうじが泣きそうになってるように見えて不思議な感じだ。俺もそうやって見えてんのかな?そう思うと、なんだかみょうじに顔見られたくなくなって、急いで吹き消しちゃおうって思って大げさに息を吸ったら…ばっちーん!!…?…え?…あ、ちょ、タンマ…。なんか俺、みょうじさんに殴られました…。そんな、まさか殴られるなんて思ってなかったから体制崩して、なんかすげぇショック受けた女の子みたいなポーズになったままみょうじを見上げた。太ももが…いろいろ、その…付け根の辺りが危うくて絶景です…。なんで付け根が危ういのかって言うと、みょうじさんは一瞬でさっきまでのふわふわもこもこ究極ガーリーなワンピースを脱ぎ払って、中にはなんとSM嬢スタイルで机に足を乗せて、鞭と荒縄をちらつかせて俺を見下していたからです。な、なんのご褒美ですか…?!

「あの…みょうじさん…?」
「き、気安く呼ぶんじゃないわよッ!!こ、この…えっと…や、やすだやろー!!」
「こ、これは…」
「おっ!おだまり!!」

見た目はばっちり女王様なのにキャラがいまいちなりきってないたどたどしいみょうじ女王様は、ケーキにさしてあったろうそくを一本抜いて溶けて溜まってたろうを俺にぴっと飛ばしてきた。

「あっつ…!!」
「ぇえ?!あつい?!」

あ、いや…本当は熱くなかったんですが…飛んでくる間にろう乾いちゃってるし、皮膚の上ですぐに固まったけど…なんか反射で熱いって言っちゃったら、みょうじが急いで机のこっち側に来て崩れてる俺に寄り添ってきた…お、おう…太もも…白っ…

「だ、大丈夫?!熱かった?ごめんね!その…ああ!私の段取りが悪い所為で…!!」

なんかバタバタしてるみょうじ。部屋の電気をつけて、ちょうちょが羽根広げたみたいな仮面をずらしてさっきのかばんに鞭とかいろいろしまいながら、新しくノート?見たいなのを取り出した。しゃがみこんで一生懸命ぶつぶつノートの内容を復唱しているみょうじ。なに、それ?もしかして花巻の…?

「みょうじ…?」
「ああ!!ごめんね安田くん!このろうそく、その…一応、そういう事、する時ようの素材らしいんだけど…」
「…みょうじ、そういうの詳しかったっけ…?」
「ううん!本好くんが手伝ってくれたの!でもごめんね!熱かったんだよね?!もう、私死ねッ!安田くんに痛い思いさせた私死ねっ!せっかく本好くんが一緒にがんばってくれたのに失敗した私死ねっ!」

えー?

とりあえずみょうじ(鞭で自分の頭をびしゃびしゃ叩いてる)を落ち着かせて話を聞いてみる。落ち着こうぜ、みょうじ。あと、俺の股間。

「本好くんとか藤くん達にね、安田くんのお誕生日プレゼント、何がいいかな?って相談したの…ねぇ、本当に大丈夫?火傷してない?」
「してないから大丈夫だよ、で?話の続き」
「ああ!えっとね、それで…二人ともサプライズとかいいんじゃない?って」
「あー、うん。大成功だよ、心底ビビッた」
「ほんと?!やったあ!!…じゃないよね…失敗しちゃったもん…」
「で、サプライズにSMプレイ?みょうじさんやらしー!」
「ち、ちがうよ!それはアシタバくんが…!!」
「アシタバ?!マジかよあいつ…?!」
「ああええっと!ちがうよ?!いつもと違う服装とか雰囲気にしたら安田くん、ドキッとするんじゃないかな?って…」
「それでSM?」
「だって本好くんがSM道具なら貸してくれるって言うから…」
「なんで本好そんなの持ってんだよ…」
「わかんないけど…ごめんね…安田くん」

しょんぼりとお山座りしてうなだれるみょうじ(女王様)。「がっかりさせちゃったね…」顔を覗くと、可愛い目からちろちろと涙を浮かばせてた…あああああ!!!

ばくっと1ホールのままのケーキに、飛び掛るようにかぶりつく。口いっぱい顔いっぱいにみょうじのケーキをほおばってもごもごしながらみょうじのほうに振り返る。あ、なんかびっくりした顔してる…当たり前か?

「がふッ、くちゃ…ぶヴぁい(うまい)!!」
「や、すだく…」

やべぇ、喰い終わってからかっこよく「みょうじの気持ち、届いたぜ☆」的なイケメンゼリフかましてやろうと思ってたけど、の、飲み込めねぇ…!!一生懸命もぐもぐもがもがして飲み込もうとやっきになってるとみょうじの顔がすぅっと近づいてきて…

ちゅうぅう…!!

「っぱ、お誕生日おめでとう、安田くん!」

ぎゅううっと抱きしめられる…と、その…女王様の装甲の奥の柔らかいみょうじさんが体にぴったりと感じた。嬉しさと興奮と自分の浅はかな性欲へのあせりでのどにケーキが詰まりそうになったところで、みょうじがぺろっと俺の顔の生クリームを舐めた。恥ずかしそうに笑って「いっぱいついてる、ね?」…女王様と生クリームプレイで経験値がぐーんと上がった俺は無事1こ年を取れました。ありがとうございました!!

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