逸人とハロウィン
「トリックオアトリート!!のおすそわけっでーす!!」
「おなまえお酒臭いよ…」

ごめんなさい、本当にごめんなさい。昼間っから友達とお酒飲んでてごめんなさい。ハロウィンじゃ無礼講じゃってお酒がばがばあおってごめんなさい。そしてみんなが持ってきたお菓子を逸人の学校の子に配ってあげたいからとか可愛いうそついてくすねてきちゃってごめんなさい。お菓子を分けてあげる気なんてさらさらなくてごめんなさい。特にこないだ何人か生徒さんが家(逸人の家だけど4割あたしの家)に遊びに来たときベッドルームの隠してあったオモチャ箱(大人の)をいち早く発見してバイブを見つけて興奮しきってたあの子、やすだくん?とかいう子にだけは本当に絶対に分けてやるもんか、逆に彼がもしお菓子を持ってたら大人の力でそれを奪ってやる勢いだどうだ大人は怖いだろう?あっははははあははははっははは!!!!

服の中に仕込んでおいた飴ちゃんやらチョコやらをざらざら逸人のベッドの上に降らせてやると、お風呂上りさっぱり清潔肌しろーい乳首ぴんくーいいやんあはんな逸人が顔を引きつらせた。どうだどうだうれしいだろう?嬉しすぎて声も出ないだろう?!ぐあははははは!!

「いつひと!いつひと!これね、あたしが今日友達からもらって来てあげたんだよ!いつひとのためにー」
「はぁ…あ、ありがと…」

ねぇいい子でしょ?いい子でしょ?!よしよししてー!って抱きつこうとすると、ほそながーい、のにたくましーいきゃあ抱かれたいッ!ってなる腕で頭を押さえつけられた。な、なんてことすんだ?!いつひと!いつひとこのやろう!!ぎんぱつぶたやろう!

「なーんでー?!なーんでぎゅうしてくんないのー?!」
「おなまえお酒臭いもん、シャワー浴びてきなよ…」
「じゃあ、じゃあ!シャワー浴びてきたら一緒におかし食べよ?ねッ?!」

夜中の11時に?って逸人が苦笑いした。あ、この顔はアレだ…大人な対応であたしをちょろまかそうごまかそうとしてるときの顔だ。いっつも、わーいつひとかっこいいなーこんなかっこいいやさしいひとが間違った事を言うはずがないッ!ってまんまと逸人にだまされちゃって言う事はいはい聞いちゃうけど!!今日はそうは行かないわッ!!絶対に逸人とお菓子食べるんだもん!ちょこ食べながらどろどろべたべたずるんずるんちゅうするんだもん!!

「ぜったいたべるもん!お菓子の準備しといてくんなきゃシャワーいかないッ!!臭いまま逸人に抱きつく!!」
「あー分かったよ。準備しとくから…」

困った顔でベッドの上のお菓子たちに目を向ける逸人。よしよし…いい子だ逸人。フェラしてあげたいくらいいい子だ。じゃああたしは逸人とえっちなことするためにシャワー浴びてくるねッ!

で、シャワーから出てくると机の上に一つだけ小さくて真っ白な飴が転がってた。

「逸人さん、これはいったい…」
「…養護教員と言う職についてる身としては…こんな時間にあんな多量な糖分脂肪分塩分などなどを人に摂取させるわけにはいかないと…苦渋の選択の結果、ハッカ飴一つ…」
「だまれッ!」

机の上の飴ちゃんをぴんっとでこピンではじいてやると逸人にぽすっとあたった。怒ると思ったーってだいぶ諦め入った表情で小さくため息をつく逸人。あああー!!逸人が言ってることも分かるけどぉ!!いいじゃん!ハロウィンくらい!今日位いいじゃん!!無礼講じゃん!チョコレートプレイじゃん!!

「ハロウィンくらいいいじゃん!!逸人のけちー!!」
「いや、ハロウィンの日に摂取した分の糖分脂肪分等が無かった事にしてもらえるならいいけど…」
「くっそう!逸人のばか!けち!健康マニア!さでぃすてぃーっく!!」
「うわッ」

体をねじりながら逸人にタックルすると、なんだかToらぶるでえっちな体勢で重なり合った。あたしの息は逸人の体に、逸人の息はあたしの体にしめっぽくいやらしくかかる。あたしのはまだちょっとお酒臭い。逸人のは歯磨き粉のさわやかなにおい。ねっちょりした口のまま逸人のさわやかイケメーンなお口にぶっちゅうべろべろとキスする。やっぱり歯磨き粉のにおいがした。

「…おなまえ…?」
「ねぇ、逸人。トリックオアトリート」
「は?」


お菓子くれなきゃ(えっちな)悪戯するのが礼儀なの。
(礼儀正しい貴方はもちろん応えてくれるのよね?)
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