10000お礼

10000企画

やっべぇよ俺…まじかよ、これ…!!なんか日曜日の朝なのに早く起きちまってああ!もう最悪ッ!!もったいねぇ!!って思ってもうこれコンビニ行ってえろ本立ち読みするしかねぇじゃん!!ってジャージのまま家から出たら目の前に10000円札が降ってきた…!!降って…きた…!!

ここここ!!これはああああ!!本物じゃん!!諭吉じゃん諭吉ぃ!!まじでか?!どーするよ!!おい!!これどーする?!まじか?!ええええええ!!交番に届けるとか夢見てんじゃねぇよ?これどうするってアレだからな?!何に使うかっていうアレだからな?!いいいいいいやっほー!!10000!!10000!!あ!そうだ!!みょうじとデートしようっ!!俺ちょういい彼氏っ!!

ぷるるぷるる
『…むぁい』
「え?…あ、みょうじ?」
『むぅ』
「…寝てた?」
『うぅ…やすだ、くん?だって…まだ。4じ…』
「…ごめん」

俺すげぇだめな彼氏じゃん…。こんな時間に起こしちゃったよ…ごめんみょうじ!!でもデートして?

「今日出掛けようぜ?!」
『ん、どこに…?』
「ああ、そうだな…」

10000で行けるとこか…ご休憩4725円〜、お泊り7875円〜…は、だめだよな…。ううん…あ、映画?ショッピングモールで映画見てメシ食って遊べるんじゃねぇ?

「ショッピングモールで映画とかどうだよ?」
『…あ!わたし見たい映画あるのっ!!』
「じゃあそれ見ようぜ!9時に駅集合でいいか?」
『うん!!大丈夫っ!!わーい!!映画映画!!』

よかった、喜んでもらえて!!俺やっぱりいい彼氏じゃんっ!!ってか…俺とのデートってか、映画がメインなんだな…まぁ…いいんだけどさ。

「あ!やすだくーん!!おはよう!二度目まして」
「おう!二度目ましてって…今朝のこと怒ってる?」
「ううん、怒ってないけど…あんまり記憶が無い…」
「お前らしいっちゃあ、お前らしいな…」
「ええ?!わたしってそんな頻繁に記憶なくしてるの?!」

先に駅に来た俺は自分のとみょうじの分の切符を買っといた。さっとみょうじに切符を渡すと自分で買うからよかったのに!!ってぷんぷん怒ってたけど俺にもたまにはかっこつけさせてくれよって頭をぽんぽんってしたらなんかぶつぶつ言いながらわめくのをやめた。かわいいなあ!!みょうじ!!「やすだくんは、いつもかっこいいもん…」
「みょうじ…行き先変えちゃうよ?(ホテルに…)」
「だめっ!!映画見たいもんっ!!」

常伏駅〜モール最寄り駅
大人2人分 580円
オレンジジュース500ml 150円
カフェ・ラ・テ 200円
ウォータリングキスミント 100円

映画館について何時のどの映画を見るか決めてからみょうじがトイレに行ってくるって言うからその隙に映画のチケットも買っておく。せっくすあんどざしてぃ?…誘ってんのか…みょうじ…

セックス・アンド・ザ・シティ2
大人2人分 3600円

「えー?!映画のチケットまで?!だだだだめだよう!!私が見たい映画なんだからっ!!」
「いいって!今日だけっ!!今日だけだからっ!!おごらせてっ!!」
「んもうっ!!お昼ごはんは私が払うんだからね?!」
「んー?あ!映画始まるぞ?!」
「あ!!ごまかしたっ!!」

気づかれないように買っておいたドリンク+サイドメニュー
コカ・コーラM×2 640円
ポップコーンキャラメル味L×1 550円

ポップーコーンは半分以上みょうじが俺の口に無理やり突っ込んできた。お金払ったの安田くんだからって…こんなことになるんなら塩味にしておけばよかった…キャラメル甘ぇ…みょうじが歓ぶと思ってキャラメルにしたんだけどな…なんか…今日みょうじ機嫌悪いなぁ…朝の電話がまずかったかな…

昼飯もフードコートとかじゃなくちゃんとした店に入って2人でパスタを食べた。2名様でお得!プランみたいなやつ。うまかったけど…みょうじがあんま楽しそうじゃなくて…そっちばっか気にしてたらフレッシュトマトのさっぱりバジルパスタをぼたぼたこぼしちまった…うわ、カッコ悪ぅ

「…ふふっ」
「あ!笑った!!」
「笑ってない」

えー?結局ここも俺が隙を見て払った。

パスタが選べる2名様ランチ 2980円

そろそろみょうじのほっぺたが怒ってるなあってのが伝わってくるくらい膨れてきてる…え…何をそんなに怒ってんの?!おなまえちゃん?!なにがそんなに気に入らないの?!エスカレーターの近くのベンチに座ったまま動こうとしないみょうじの機嫌をとるために俺は一生懸命に頭を回転させる。女の子が喜ぶのも!!女の子が歓ぶこと…!!俺はトイレに行ってくるって言ってその場を離れた。

ストロベリージェラート・ラズベリーソースクレープ 550円
31アイスクリーム ダブルコーン 500円
アイスミルクティー500ml 150円

「もう安田くんやだ」
「え…」

女の子が喜びそうなもの…ショッピングモール中走り回って考えれる限り買いあさってきた結果。彼女に嫌われました。…なぜ?

「え…ちょ、なんで」
「だって、なんでやすだくんばっかお金使わなきゃいけないの?!映画見たいって言ったの私なのに!」
「いや、でも…出掛けようって言ったの俺だし…」
「だったらおごらなきゃいけないの?私安田くんと一緒にいるだけでも楽しいのに…なんでおごろうとばっかりするの?私が払うよって言ってるのにこっそりお金払っちゃうし…」
「だって、それは…」
「もう今日の安田くんやだ、帰りたい」
「え、待てって!」

え、なんかみょうじすげぇ怒ってる…!!おごられるの嫌なの?!なにそれ!!わかんねぇけど…みょうじ本当に俺置いて帰ろうとしてるし…!その辺のちっちゃい女の子連れた奥さんにクレープとアイスとミルクティー無理やり押し付けてみょうじを追う。俺が追うとみょうじははしって逃げるから俺も走って追いかける。声かけても名前呼んでも振り向きもしないからずっとおってると、駅に着いちまった…みょうじこんなに体力あったのか…

「私もう帰るから、帰りの切符代も安田くんが払うの?」
「あ、ちょっとまって…」

ん?あれ…?

「ごめ…金、ない…」
「…ぶふっ」
「…ご、ごめ…」
「…あははは!!やすだくっ!!かわっかわいい!!」

うわ…俺バカすぎる…!!金使いすぎた…!!みょうじの分どころか自分の分の切符代も無い…!!恥ずかしすぎる…!!情けねぇ!!甲斐性なしっ!!俺のばかあ!!

「やすだくん」
「…」
「帰りの切符、おごってあげようか?」
「…よろしくおねがいします」

帰りの電車の中でみょうじにたっぷり説教されました。学生同士のカップルは割り勘じゃないとだめなんだとか、お金出さなくたって安田くんはかっこいいんだからとか…途中怒られてんのかほめられてんのかわかんなくなったけどお金拾ったら交番に届けるようにって怒られた。人差し指をぴっと俺の鼻先に突きつけて「めっ」って真剣に怒った顔で言うみょうじ。ごめんなさい。これからは気をつけます。だから、嫌いにならないでくれ。って言ったらきゅうって手を握られた。ちっちゃくてあったかい。

「ずっと好きだよ。安田くん。嫌いになるきざしも無い」

俺もです。
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