11.たんぽぽ
テレビでやってたたんぽぽの天ぷら。なんてこった飽食のわが日本ではその辺に咲いてるかわいい黄色いふわふわタンポポちゃんに衣をつけて180度の油でジュワっと揚げてお好みで岩塩またはマヨネーズをかけて美味しく頂くなんて文化があるのかなんてこった美味しそうだ。「というわけで、桜井くん」「はい」「たんぽぽの天ぷら、どうですか?」どうですかって・・・、困ったように眉尻を下げてその場しのぎの苦笑いを見せる桜井くん。お料理男子の名を欲しいままに同学年の女子には4:6で料理されたいというよりは料理したい1年生男子ナンバー1だとコアで下品で根強い支持を受けているこの柔らかミルクチョコレートマッシュルームボーイ桜井くんの料理の腕を見込んで私は覚えたての知識「たんぽぽの天ぷら」をねだってみた。山菜とかそういうの嫌いじゃないの私。あと桜井くんマジで揚げ物上手だからこの間の挟みレンコン?なんか美味しい練り物をレンコンに挟んで美味しく揚げた美味しいやつ、アレほんとうに美味しかったから私から桜井くんへのお料理期待値すさまじいの、あとエプロンつけた桜井くんってほんとうに素敵なんだ、みんなはピンクのふりふりエプロンつけて欲しいー!なんて言うけどばか!ばーか!!桜井くんにはフロントに大きなポケット濃紺のシンプル男子エプロンって相場決まってんだばーか!マジで桜井くんのおうち遊びに行ったときハーフパンツTシャツに濃紺エプロンで「いまドーナツあげてますから!」って出迎えられたときの私ったら心臓に致命的な穴開けられちゃったかと思ったよドーナツだけに穴あけられちゃったよあのドーナツも美味しかった・・・さっくりふわふわ・・・よだれ出てきた・・・。「みょうじさんが食べたいって言うなら、是非作ってあげたいですけど」ほっぺたをぽりぽりしながらちょっと頬を染める桜井くんは私が桜井くんのお料理(とバスケ)を褒めると口をつぐんで口癖である「スミマセン!」も忘れて、恥ずかしさに目をそらし「や、やめてください・・・」なんてかわいいこと言っちゃう系男子なんだ。つまり、なんだ、桜井くんは私のこと好きなわけで私も負けじと桜井くんが好きなわけだ。「この辺じゃ安心して食べられるたんぽぽなんて無いと思いますよ?」なんてまわりを見渡す。私もつられてまわりを見渡す。何言ってんの、この中庭芝生にまぎれぽっぽっぽと黄色いふわふわが咲いてるじゃないか「でも食用たんぽぽとかあるの?」桜井くんに振り向けば、なにやらそっと耳元に飾られた「僕はたんぽぽ、油で揚げるより、みょうじさんにあげたいです」にへっと笑う桜井くんはかわいくてかっこよくて大好きでそして「・・・だっさ!!!!」「ス、スミマセン?!」

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