お料理狂想曲
今日の夜は、貢広さんのお家にお泊りしてます。貢広さんがいつもカップラーメンとかカップうどんとかカップ焼きそばとか、カップに埋もれっぱなしの栄養バランス方よりまくりなやばい食生活を送っているという事で!!今晩は私の!手作り!お料理を!!食べさせちゃいたいと思います!!ようし!!とびっきりおいしいのを作って貢広さんをびっくりさせちゃうぞー!!なッおなまえちゃん、料理すげぇうまいじゃん!頼む、俺に毎朝毎晩、おなまえちゃんのうまい味噌汁を作ってくれッ…結婚してッ!!きゃあ!貢広さんッ!!喜んでッ!!見たいな!ねッ!!ねっ!!私は後ろ手にきゅっとエプロンのリボンを結んで、リビングで一生懸命カーアクション映画を見てる貢広さんにぐっと親指を立てる。待っててね!貢広さん!!

「んー、うん…んー…いまいち」
「なッ!!」

お向かいに座って、力作を並べた食卓を囲んで、貢広さんがぱくりと一口。そして一言。うまい!どころか、まずい…でもなく…いまいち?!ええええ?!

「え、貢広さん…」
「んーなんだろ?なんかたらねぇ…」

うむむむっと悩みながら、おかずにしょう油やソース、塩コショウ。七味に一味、タバスコ、酢…?!ちょ、っと…そんな…私がせっかく作ったご飯に…そんな、味の濃い調味料だばだばかけて…もとの味わかんなくなっちゃうじゃん…。でもそんな、自分の好みで調味したおかずをぱくりぱくりと口に運んでいく貢広さんはショックを受けてる私にはお構いなし。えええ…。私のいろんな妄想がごろりごろりと床に落ちて、貢広さんにぐちゃっと踏み潰されていく…!!わ、わたしは!!なんか、もう、貢広さんのお家にお泊りに行くって決まったときからちょっと期待(いやらしいのもそうじゃないのも!!)してたのに、いざ貢広さんのおうちに着くと貢広さん映画見てるし、なんかそっけないし!!お料理してたら、なんか、こう!!ありがちなさッ!!「料理してるおなまえちゃん…なんかえろい」「あッ、だめ…貢広さん」「なにが?料理の邪魔しないから、俺のこと気にしないで…」「やッ!だめ貢広さッん!…そんな…お、料理…中ッにぃ…んッ」「おなまえちゃん、手止まってるよ?ちゃんと料理してよ」見たいな…!!お料理してる私が貢広さんにお料理されちゃうみたいなちょっとピンクい想像もしたりしなかったりだったのに…!!これじゃあ私ただの色情狂じゃないかッ!!私だけえっちな女の子みたいじゃないか!!というか、貢広さん、いつもは私が貢広さんの座椅子の上でお山座りしてるだけでえろいえろいって、おなまえちゃん何?俺のこと誘ってんの?!って勝手に興奮して押し倒してくるくせに…!!なんで…!!ち、ちくしょう…!!しかも…おかず全部に…調味料かけるから…私が、食べれないじゃん…!!なんで煮物にタバスコなんてかけちゃうの?!私は両手でそっと、顔を覆って小さく丸まってみる。もう、貢広さんなんて知らない。

「おなまえちゃん、食わねぇの?って…?!え?!えええ?!」

私が顔を覆って小さく丸くなってるのに気がついた貢広さんは、すごい必死な顔(してるはず)でばたばたと私のほうに四つんばいではいはいしてきた。大人赤ちゃん選手権みたいなのがあったら多分貢広さん優勝だよ。どうしたの?!なんで泣いてんの?!おなまえちゃーん?!を繰り返しながら、貢広さんは私の頭をよしよししたり、あぐらかいたひざの間に私を抱え込んで赤ちゃんをあやすみたいにゆすぶってくれたり、顔を覆ってる両手にキスしたりしてくれた。…う、うれしい…!!で、でもだめッ!!絶対に許さない!!乙女心を踏みにじったんだ、貢広さんは…!!もう知らないもん!!タバスコと結婚しろッ!!そして養子にしょう油とソースを迎え入れろッ!!

「おなまえちゃん、どうしたの?俺なんかひどいことした?だったら謝るからさッ!!ねッねっ?!泣かないでー!」
「…貢広さんなんてもう知らない」
「ええ?!なんでそうなったの?!もしかしておなまえちゃんのエプロン姿勝手に写メってたのばれた?!怒った?!」

貢広さんって、焦るとなんでも暴露する癖あるんだよね…。私は両手を少しだけずらして、目だけ見えるようにして貢広さんのほうを見た。ひどい顔してた貢広さんがほっとしたのか、情けなく笑った。…なんだ、やっぱり貢広さんも私と同じようなこと考えてたのか…。…えっち。また目も隠しちゃうと貢広さんはええええええ?!って大きく叫んだ。その振動が、貢広さんの実は引き締まってる体を通して、ちょっとぷにぷにだけど、貢広さんが好きだー好きだーって言ってくれる私の体に伝わって心地がいい。もう、ごめんねごめんねしか言ってない貢広さんは、何でもするから許してってずっと私の頭にちゅうしてくる。それは反則だよ…貢広さん…好きだあああ!!

私は顔から手を放して、貢広さんの首に腕を巻きつけてぎゅうっとしがみつくみたいに抱きついた。貢広さんは、えっ?!って焦って私の背中に腕を回すか、回さないかわきわきと悩んでから「あ、あのー…おなまえ、さん?」って声をかけながらゆっくりと、大きな手のひらで背中をさすってくれた。私は貢広さんの足の間におさまってた足をがばりと開いてぎゅうっと貢広さんのおなかにまきついて、貢広さんの耳たぶにくちびるをひっつけた。

「私は貢広さんにお料理してあげたんですから…」

びくりと貢広さんの肩が揺れる。ちゅうっと貢広さんの耳たぶを吸ってたっぷりとじらしてから、甘えた声をだす。今度は貢広さんが私をお料理してくださいね?耳まで真っ赤にして、ぷるぷると小刻みに震えながら、初めてのときの女の子みたいに、私の背中に回した手でぎゅうっと私にしがみつく貢広さん。可愛い可愛い。まぁ、婿にもらってあげなくも無いかな?好きですよ、貢広さん。




ぐああああ!!相互記念にケイさんからいただいたステキ安田のお返しのお話書かせていただきました!!が、なんじゃこりゃあ…全然…リクエストに答えられていない…まったくもって、服部の趣味に走ってしまった…ごめんね、ケイさん…。ケイさん大好きです!!相互ありがとうね!!ケイさんだけお持ち帰りどんとこいです!!恐れ入ります、もらってやってください!!


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