スニーキングガールの敗北
朝、家の中から騒がしくもあたたかい生活音が響いてくる。テレビの音に紛れた人の声、食器同士がぶつかる音。明るくなる空は私の知ってる言葉だけでは表現できないほど美しい色をしていて、肺いっぱいに吸い込んだ空気は朝の湿気をたっぷり含んでいて私の脳みそをノックするようだった。

「じゃ、行ってくるわ」

ノックされたばかりの脳みそを限界にまで揺るがすほどの甘いかすれたどこかとぼけた感じのもう総称してエロい!!エロい声が私のあの、もう気持ち的には処女膜!!私の処女膜くらい揺るがしてしまいそうな…!!!!エロくてかっこよくて大好きでもうアレがズルベタとまんないって感じに私の鼓膜を揺るがした声の主ッ!!そうよ貴方ッ!!君よ貴方様が貴様、手前ェがお主で貴奴が男性器的なやっこさん男鹿くんんんんんん!!!!!

「お、おはよう男鹿くん!今日も素敵な朝で立派な男性k」
「何してんだお前?」

私の挨拶なんて無視ですか?!アア!!そうですか!!そういうプレイが好きだってんなら私だってそっちの方向にまっしぐらしてやるさ!!ネコまっしぐらの如く男鹿くんとにゃんやんにまっしぐらさ!!…きゃあああ!!男鹿くんとにゃんにゃんだなんてッ…!!あ、そんな…わ、わたし…わたしがネコ耳つけたりするのよりも、男鹿くんがネコ耳つけてくれたほうが嬉しいって言うか…ああ!!でも私の舌がネコちゃんみたいにざらざらになて、男鹿くんにフェラチオしてもいいんならッ!!私のベロで男鹿くんのお、お…オオオオ雄おおおおおおおおおああああああああ!!!!!!

「おい、みょうじ?大丈夫かお前?」

ああ!!男鹿くん、男鹿くんって何でそんなに優しいの?!ただのクラスメイトの女子が、ストーカー行為極まりない、お家を出たばっかりの男鹿くんをタモで捕まえてあんあんにゃんにゃん出来たらいいな!だなんて…あ、いや、そこまでは考えてないけど…妄想の世界なんだけど…普通に一緒に登下校したいな、男鹿くんともっとたくさんおしゃべりしてみたいなって思っただけなんだけど…とにかく!!そんなに仲良しでもない私の迷惑行為も気にせずに私の心配してくれるなんて…なんて優しいんだ?!私はなんかもう、感動とか興奮とかあといろいろでズルベタのぬちゅぐぢょだよ…!!

興奮のあまり少し足元がふらついた私を、光の速さとは言わないまでにしろ、結構な素早さで、スマートに支えてくれる男鹿くん。背中では赤ちゃんが眠ってる。ぎゅっとつかまれた私の腕。しっかりした男鹿くんの腕と比べると恥ずかしいくらいに貧相で、まぁ女の子なんだから仕方ないんだけど…男の子と女の子なんだなー、全然違うんだなーってことを実感して、珍しく、普通に、エロい考え無しでどきっとした。

「え、あ…ご、ごめんね」
「いや、別に。ってかみょうじ、細ェな」

もうちゃんと地面に立ってるのに、私の腕を放さない男鹿くん。オモチャでも触るみたいに私の腕をぺたぺた触ったり、されるがままの私に遠慮無しにぶんぶん振り回したりした。な、な…なに、この状況…は、なぢ出そう…。私、男鹿くんに良い様にオモチャにされてる…愛玩具にされてる…?!ってか細ェな?『細ェな』=『弱そうだな』=『守ってやるよ?!』=『結婚してくれ?!?!』=『みょうじは俺の性奴隷だ』んぎゃああああ?!?!

「ちょ、あ…放して…」
「あ、悪ィ…でもマジで折れそうな腕だな」

何の悪気も無く、ニコっと笑う男鹿くん。あああ!!その覗いた輝く白い歯に噛み付いて欲しいッ!!じゃなくて、眩しい笑顔に立ちくらむ…!!な、なんて兵器所持してやがるんだ男鹿くん…!!私それ日に3回食らったら確実に男鹿くん依存症になっちゃよ!!男鹿くんの精液無しでは生きていかれない身体になっちゃうよッ!!つまりは永久に男鹿くんの性奴隷決定だよッご主人様ッ!!

「なんだよ、みょうじ?体調悪ぃのか?さっきからフラフラしてっけど…」
「あ、これは…」

男鹿くんのフェロモンの所為だ。男鹿くんの笑顔の所為だ。男鹿くんが素敵なのが悪いんだ。男鹿くんが夢の中に出てくるから悪いんだ。男鹿くんが私のものにならないからいけないんだ。男鹿くんが24時間私の頭の中でいやらしい格好して、いやらしい声を上げて、いやらしいお汁でズルベタになってるから悪いんだ。男鹿くんが、男鹿くんが…!!

「昨日から、男鹿くんの事考えてたら…寝るの忘れちゃって」
「寝るの忘れるってなんだよッ!!!」

そうなんです。自分でもなぞ過ぎるんですが…昨日下校する男鹿くんをストーあ、いや…スニーキングしてて、今日こそは男鹿くんと朝一緒に学校いく約束を取り付けようと思って!!おうちのインターホン押す、勇気がわいて来るまで、男鹿くんのおうちの前で待ちながら…男鹿くんと一緒に学校行くようになったら、私達どうなっちゃうのかな?手繋いだり出来るのかな?キスしたり出来るのかな?あ、いや…まだ、告白もしてないんだけど…!!告白したり、なんかエッチなとこ触りあったり出来るのかな?!とか…んもうやァだァ男鹿くんった、こんなとこじゃはずかしいよ…いいじゃねぇかみょうじ、俺もう我慢できねぇんだよみょうじ…的な?!あるいは、男鹿くん、もうこんなに大きくしちゃって…みょうじ、頼むから早くぅあッん…!!みたいな?!なにそれ?!なーにーそーれー!!!!!!

って考えてたら朝になっていたのでしたッちゃんちゃんっ!!

「ってことなんだよ男鹿くん。だから、好きです」
「みょうじってすげぇ…大胆なんだな」

落胆の色?幻滅の色は見えないにしろ、男鹿くんは少し顔をゆがめた、ゆがめてもかっこいいとか罪な男だなあ!男鹿くん。私の愛の告白に答えをくれないってことは…ダメだったかな?私の事嫌いかな?っていうか、嫌いとか好きとかないよね?あんまり関わった事ないし…。まぁ、フラれちゃったからって、私の男鹿くんへの気持ちがどうなるか?!って話じゃないんだけどね!!テンションで告白しちゃったッてへぺろっ

「寄ってけよ」
「?」
「だーかーらー!」

少しだけ、顔を赤くした男鹿くんが、さっきみたいにまた私の腕を掴んで男鹿くん家の門の中に引っ張った。え?なにそれ?こんなおいしいフラグ頂いていいの?男鹿くんって狼だったの?男は漏れなくみんな狼なの?あ、や…しかしあれだ男鹿くん、男鹿くんが狼だとしたら私きっとグリズリーだよ…いいのかい?

私が呆気にとられていると、男鹿くんが振り向いて(あ、理由はわからんがなんか照れてる)口を尖らせた。かーわーいー

「寝てねぇんだろ?俺の部屋使っていいから」

寝とけよ。って小さい声で付け足した男鹿くん。男鹿くんだって、ずいぶん大胆じゃないですか…。



(ってかまじで?!男鹿くん、私初めてだから優しくしてね?)
(何もしねぇよッ!!俺は学校行くからッ!!)
(えー!詰まんない!!じゃあお布団の匂い嗅いでいい?!)
(…やっぱやめた、学校行くぞ)
(やったー!夢にまで見た男鹿くんとイチャイチャずるべた登校だー!)
(ずるべた?)




脳に電気さまの山田さんへッ!!相互お祝いに書かせていただきました!!!こんな、こんな…感じで、いいのか、な?!…自分で書かせてくれって言っておいて…なんだこの、感じ…!!こう、提出物って言うのは本当に、もともと無い自信が更になくなりますね!!wwそれでも!!これで服部よりの山田さんへの気持ちが伝わればいいなーって思います!!良ければもらってやってくださいッ!!


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