08
安田くんにアプローチをするようになってもう2週間くらいになる…。はじめのへんは安田くんもちょっとびっくりしてたけど、最近では普通にお話してくれるようになった。普通…に…。私の好き好き光線足りてないのかな…。うむむ…

駆け込め、保健室

「あ、そういえば」
「ん?なあに彩?」

彩と一緒に学校から帰ってる最中。私がずっと今日は安田くんとどんなお話をしただとか安田くんがどんな事で笑ってくれたかとか安田くんがどのくらいかっこよかったかとかしゃべってる途中で彩が急に口を開いた。え…なに?!めずらしいッ!!いつも私の話し聞いてるようで実は全く聞いていない彩は終始無言で、たまに歩きながら寝てることだってあるのに…!!腑には落ちないけどしゃべるなんてめずらしいッ!!

「安田に言っちゃった。あんたが安田の事好きだってこと」
「へ…ッ?!なななな?!」
「ついよ、つい」
「えええええ?!言っちゃったの?!」
「うん。ごめんね」
「ううぇええ?!ごごごごめんねえ?!」
「もう仕方ないじゃない、言っちゃったんだもん」
「えー?!」

そそそそそんな!!どうしよう…安田くんに知られちゃったの?!えー?!なんか最近は本当にもうただ安田くんとあいさつしたりおしゃべりできたりするだけですごく幸せで、もう告白とかしなくていいかな、このまま普通に仲良しのままでいいかなーって思ってたのに…!!すきって言っちゃったら明日から変な感じになっちゃうじゃん!!どどどどうしよう…ッ!!明日安田くんに話しかけて「…ごめん 、俺にはそんな気ないから」見たいな事言われておしゃべりは愚か挨拶さえできなくなっちゃうくらいきまづい雰囲気になっちゃったら…それどころか私告白もしてないのにフラれるんじゃないだろうか?!そ、そんなのいやだよッ!!やすだくん!!私安田くんの事好きになって、安田くんとおしゃべりしたり移動教室一緒にしたりしてて、それで、もっともっと安田くんの事好きになってッちゃッたのに…!!安田くん私としゃべるとき絶対私のほう見ててくれて、ちょっときつい目つきなのに笑うとびっくりするくらい可愛くなるところとか、移動教室のとき私がちょっと遅れると歩くのゆっくりにして私が追いつけるようにしてくれるところとか、私の話に大きな声で笑ってくれるところとか…本当にたくさんいままで知らなかった安田くんとか見れてああ私安田くん好きだな、やっぱり。って思うようになってたのに…!!安田くんの事本当に胸がきゅうってなっちゃうくらい、笑いかけられると体がちっちゃくなっちゃうんじゃないかってくらい恥ずかしいけど嬉しくなってうわー!!きゃー!!ってなっちゃうくらい大好きになってたのに…!!そんなことも思っちゃいけなくなっちゃうかもしれない…安田くんに好きって事がばれちゃった…明日からどうしよう…。…このまま、じゃ…だめだよね。…フラれるとしても、やっぱり、自分から言いたい…な。安田くんが好きだって…。なんで好きになっちゃったかとか、そういうのもちゃんと伝えたいな…恐いけど、私が安田くんの事好きなのは本当だから…。

彩のカミングアウトをうけた次の日。朝学校にきてすぐ教室で安田くんを探したけど居なかった…。もしかして、私に会うの嫌で学校休んじゃってるのかな…。え、だったらすごく…悲しいな…。うぅ…。どうしよう…。…ハデス先生のところ行こうかな…。私はこの2週間ヒマがあって安田くんとお話ししてない時はずっと保健室でハデス先生とおしゃべりしていた。藤くんがハデス先生見た目ほど恐い先生じゃないよって言ってたの本当で、色々安田くんの事について相談してると、相談には答えてあげられないけど さんのお話を聞いてあげることは出来るからって言ってお茶とお菓子を囲んでたくさんお話を聞いてくれたの。先生ッ!!優しいッ!!って感動してそれに甘えてた…から、今日も甘やかしてもらおう…。チョコパイもらって元気だそう…。って思って保健室に続く廊下を歩いていると壁に寄りかかってる安田くんを見つけた。…!!

「あっ…やすだくんッ!!」
「… …」

ばたん!!私が声を掛けると安田くんはこっちを見て私の名前を呼ぶと、そのままの格好で床に引っ張られるみたいに体制を崩して、倒れた。…?!やすだくん?!やすだくん?!え?!私は急いで安田くんのところまで走っていって声を掛けたけど安田くんは何も言わないし、気絶してるみたいだった。顔色がよくない…どうしたんだろう?!どどどどうしよう?!あッ保健室!!私はだらんとした安田くんを担いで(っていうか安田くんの体のしたっ側にもぐりこんで)保健室を目指して歩いた。うう…なんか、お寿司の大穴子みたいだ…。安田くん私より身長大きいからどうしても足をすっちゃう…!!ごめんねやすだくん!!もうすぐ保健室だからね?!がんばってね!!安田くんけっこう重たいんだね?!細く見えるのに…!!私いまだけマッチョになれっ!!ぐぬぬ!!安田くんのあったかい体が私の背中にずっしりのしかかる。こんな風に近くなったことなんて無かったから不謹慎だけどすっごく恥ずかしくて照れて…ちょっとだけ嬉しい…うわあん!!私のばか!!不謹慎!!えろっ!!ずりずりやすだくんの足を引きずりながら保健室に着いた。片手で安田くんが背中から落ちないように支えて保健室のドアを開ける。がらがらがら

「ハデス先生!!助けてっ!!」
「 さん…?!と…安田くん?」

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