09
テストはあっという間に終わってしまった。

5days later...

「んはああ〜!!終わったァ〜!!」

窮屈だったテスト週間も今日でおしまい。もうお家に帰ってから勉強したり不安になったりしなくてもいいんだー!!って思うともう嬉しくって嬉しくって…!!なんでテスト週間ってあんなにもずっと勉強してないと不安になっちゃうんだろう…私なんて頭に入ってないのにずっと教科書読んでないとドキドキしちゃって落ち着かない…。ああ!!でも、それでも終わったんだッ!!テスト終わったんだばんざーいッ!!しかも今日は午前中のテストが済んだらそのまま帰れるから、帰宅部な私と安田くんは学校帰りにどっかいこうか?遊ぼうか?ってお話しながら学校を出た。ああ!なんて幸せなんだ…!!

「さぁ! さんッ!テストから開放されたわけですけどもッ!!」
「おう!安田くんッ!テストから開放されたわけですけどもッ!!」

「なにする?」
「んーなにしよう」

って事で、なんだか何しようどこ行こう?!ってわくわくしてたんですが、テストが終わった安心感って言うか…気が抜けちゃって2人ともなかなか遊びたい欲がなくなっちゃったみたいで…。今はとりあえずくじら公園でぼうっとしながらどっかから飛んできてはまたどっかに飛んでいく鳥を数えたりしてます。こうやってぼうっとしておしゃべりしてるのも楽しいんだけど…なんていうか、せっかくテスト終わっていつもよりもたくさんの時間一緒に遊べるんだから、何かしたいなー

そう思ってもなかなか良い案が思い浮かばないのは私も安田くんも一緒で、ちらっと視線を向けた安田くんもうむむっと顎に手を添えて何をしようー?!って大変に悩んで居るご様子だった。ボーリングとか、カラオケとか…思い浮かんで提案しあったんだけど、なんだかなー…テストで疲れちゃってるのかなかなか腰が重い私たち。でも、やっぱり時間は勿体無く感じて八方塞です。

「 はテスト終わったらいつも何してんの?深田とか花巻と遊んだりしねぇの?」
「ん?私かー、テストの後はね…テスト週間中に撮りためしてたビデオを一気みしたり…?あんまり特別な事はしてないかも…」
「あーなるほど。そのパターンあるな」

俺はリアルタイムで見ちゃうタイプだけど。そうやって笑う安田くんを見て、わたしも笑って見せたけど…本当は笑えない。テスト勉強がんばるからって言ってほとんど部屋にこもってたテスト週間中、見たかったテレビ番組は全部ビデオに撮っておいた。絶対に観たい番組も、ちょっと気になるなー程度の番組も…。なのに、昨日の夜に何気なくレコーダーの録画データを見てみたら…見てみたら…!!

「… ?だいじょうぶか?」
「くッ…いいの、気にしないで…!!」
「え…あ、そう?本当に…?」

私が楽しみにしてた特番が…まるっと消されてたんだもん…!!消されちゃってたんだもん…!!楽しみにしてたのにッ!!なんでよりによってコレ消しちゃったの?!もっと消しても大丈夫そうなのたくさんあったじゃんッ!!なんで、どうして…よりにもよって…!!く、くそう…!!お母さんになんで消しちゃったの?!って訊いたら、消したのお父さんよって言うからお父さんに訊いたら『だってお父さん見終わったもん』って言われた…!!もん…?!じゃなーいッ!!ってなってそれから丸1日、お父さんとは口を利いてあげなかった。いっぱい謝られたけど、無視して部屋に閉じこもってた…。

「…観たかった番組をね、お父さんが勝手に消しちゃったの」
「あー、そりゃあ…お父さんやっちゃったな」
「は〜、観たかったなァ…『めちゃめちゃええ感じSP』」
「『めちゃええSP』? あれ観たかったの?」
「うん…だってゲストが、すごいメンバーだったじゃん?」
「俺それ撮ってあるよ?」

マジですか?!

私が声にならない感動に目をキラキラさせて心臓をドキドキさせて居ると、安田くんは私から視線を外して頭をぽりぽりかいたり鼻の下をこすったリしてから少し赤くなった顔でちらっと私を見た。ああ!安田くんそのビデオDVDに焼いてくれたりしないかな?!もちろん空っぽのDVD買ってくるから…!!

自分が好きな番組を安田くんも好きなんて偶然が嬉しくって、さらには私が見れなかった分を安田くんが録画しててとっておいてあるなんて偶然…!!それが嬉しくってうきうきしちゃう私とは対照的に、なんだか急にそわそわし始めた安田くん。どうしたんだろうって思って大丈夫?って訊こうと私が口を開く前に安田くんが口を開いた。

「じゃあ、俺ん家来ますか?」

いいんですか?!

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