そして月曜日なわけですが…

It is certain I love you so muchbaby

「なんだこれ…?」
「うッや!だ!なななななにこれ?!」

登校途中に に会って、なんだか嬉し恥ずかしな感じで二人で学校に行くと、そこらじゅうに大変なものが…掲載、されてた…

『肉食系彼女!(2-A女子)不甲斐ない彼氏(2-A男子)…乱れた中学生のカレカノ事情!!』

そんな見出しの、学校新聞…。金曜日に噴水公園で が俺に乗っかってキスしたときの写真がでかでかと印刷してある。な、なんだ…これ?新聞にたかってた生徒達(下級生、同級生、上級生関係なく大変な数)が俺と に気がついて騒ぎ始めた。え、てか、この新聞何?どういう事?3部くらいもらえる?

「おい安田!これ、お前だよな?!もしかしてその隣の子が肉食系なのか?」
「お前もとうとう彼女もちかよ?!クラス違ぇから全然知らなかった」
「んな写真、学校中に貼ってあるけど、大丈夫なのか?」
「いや、それ以前に。公園でこんな事すんなよ!マジうける!!」
「これ、写真撮ったやつもビビッただろうな?!」

知り合いに囲まれて身動き取れなくなってる俺と、新聞を一生懸命剥がそうとして、みんなにそれを阻止されて泣いてる 。…え、学校中に張ってあるって、それマジか…?熱愛発覚か?フライデー?いや、まぁ…隠すような事じゃねぇし…ってか、逆にこれは…おいしい事件じゃ…? にはちょっと悪いけど、俺はこの新聞…すげぇ嬉しい。ん?ってか、この写真撮ったのって…誰だ?あんな時間、学校の奴が公園のあたりうろうろしてると思わねぇんだけど…てか、実際に誰もいなかったように思ったけど…

「あ!おはようございます!!」
「…山田?」
「あ、あの!この間は、本当にすみませんでした!!あのあとハデス先生にお説教を頂き…安田くんと さんにどうやって謝ればいいのかわかんなくて…その、とにかく私も さんに会おうと思ってすぐにお家のほうに行ったら、途中で…公園でお二人をお見かけして…」

新聞部の血が騒いだらしい。結局この新聞が出来上がって先輩に認めてもらえて(?)また新聞部として先輩を追っかけて頑張る事に決めたらしい。俺に対する気持ちが浮気だったそうで…なんか、そんなんに巻き込まれて…マジ、山田が男だったらボコボコにしてる…まぁ、でも。こんなおもしろい新聞作ってくれたんなら…いっか。俺もちゃんと の仲直り、っていうか、それ以上のこと?出来たわけだし…!!!!

「あ、あの…安田くん!」
「ん?」
「わ、私!安田くんが私の写真!好きだよって言ってくれたのが…本当に嬉しかったんです!!それで…」
「写真?」
「あ、わたしが教室で1人でいたら、安田くんが来て…その時ちょうど床に散らかしちゃった写真…」
「ああ!!あれか!!…もしかして、山田…それで?」

確かに、あの時。俺は山田の写真を好きだって言って、もらっていいかって訊いた。山田は顔を真っ赤にしてこくんと頷く。…ずっと、疑問だったんだよな。なんで山田が俺のこと気に入ったのか、好き?になったのかって…そういうことか…写真褒められたの、初めてだったんだな…。

「あの写真な…」

俺は自分のカーディガンのポケットを探ろうとしたら、そこにポケットは無かった。あれ?!…あ、そうだ!俺カーディガン に貸したんじゃん!!今着てるのベストだッ!!ってことは…!!

今朝、 が返してくれたカーディガン(洗って、キレイにたたまれて、可愛らしい紙袋に入ってる)を取り出してポケットを探る。あああ!! 見ちゃったかな?!っていうか、洗濯されちゃってたらどうしよう!?山田が不思議そうにこっちを見る。かさ。紙袋の中で写真が指に当たる。あった!!俺はそれを取り出してば!っと山田に見せる。

山田からもらった写真。ただ休憩時間の教室をばっかばっか撮っただけだったんだろう。その中の1枚に紛れ込んでた、この写真。

「… 、さん…?」
「そ、 が深田としゃべってる写真」

時間を切り取られたその写真には、楽しそうにおしゃべりしている の横顔と深田の腕。カメラに近い景色にほとんどが隠されてて、 は本当に小さくしか写ってなかったけど、キレイにピントが合っていて、本当にいい写真だと思った。好き、だと思った。山田はちょっと驚いた顔のままで居て、すぐに笑い出した。そういうことだったのかって笑った。ちょっとだけ恥ずかしくなったけど、そういうことなんだよって返事してやった。山田は本当に迷惑をかけたって謝って、これからも が写真に写ったら俺に譲ろうって約束してから部室に行くといって廊下をかけて行った。ああ…この写真…カーディガンのポケットから出ているってことは、 、見たんだな…俺、気持ち悪い彼氏だって思われてないかな?!だって、こんなの!!どう見たって盗撮じゃん?!うう…また、彼氏株下がるな…これ。写真をカバンにしまおうとすると、裏に何か文字が書かれていることに気が付いた。ん?なんだこれ?

『この写真、安田くんのお話してる時の顔だよ。彩は呆れて、私の方を見てませんでした! P.S 私にも安田くんの写真ください!』

まるっこい、女の子ー!ッて感じの文字で書かれた文章。ああ、俺たちってさ、案外あれかもよ 。バカップル。俺の写真欲しいって何、そんな事いわれる日が来るなんて思ってもいなかったよマジで。信じられないけど、胸が、心臓あたりが。きゅううんっと切なくなった。ああ、俺…恋しちゃってんだな… に…。写真をカバンじゃなくて、やっぱりベストの中に着てる、カッターシャツの胸ポケットに入れる。 の方を見ると、まだ新聞はがそうと頑張ってて、誰か背の高い奴に新聞取られて「か、かえしてー」ってぴょんぴょんしてる。ていうか、回りみんなに遊ばれてんじゃん… 可愛い。可愛い、本当に可愛い。いっそ、 を胸ポケットに入れておきたい。だったら、ずっと一緒だ。 はそうは思わねぇかな?

「や、やすだくんも助けてよう!」
「あ、はいはい。おい、お前ら! の事いじめると深田女王様から手痛いお仕置きがッ!!!!」
「おはよう」

後ろから、ちょうど登校してきた深田にチョップされた。マジ、頭変形するかと思った…。 のまわりの奴らはそれを見て をからかうのをやめて、手に持ってた新聞を に渡して騒ぐのをやめて教室に戻っていった…う、なんで俺だけ…?

「なにそれ?新聞?」
「そ、そうなのッ!!これ、学校中に張ってあるらしくて…!!剥がしに行かなきゃ…!!」

 の手から1部新聞を取った深田は大爆笑。ええ?!深田ってこんな風に笑うのか?!す、すげぇ以外…

「なに?!あんたらこんな写真撮られたの?!マジで?!」
「うう、彩!彩、剥がすの手伝ってくれるよね?!」
「まさか、手伝わないわよ。面倒だし。」
「ええ?!そ、そんな…や、やすだくんッ!」
「え… この写真いやなの?おれはこれ好きだよ?」
「ていうか、あんたが剥がすこと無いわよ」

ほらっつって深田が指差したほうには、目に見えて不機嫌な、というか…キレまくったみのりちゃんが、壁に張られた例の新聞をべりべり剥がして歩き回ってた。うわ、やべぇ…これは確実に呼び出し決定だな… は初めてだろうな…生徒指導室…。

「 、今日は生徒指導室デートだな」
「ええ?!なにそのデートコース?!」
「不満?」
「え…そ、そんな…」

わざと寂しそうな顔で の事を見ると は顔を赤くしてごにょごにょもじもじした。可愛いなあ…本当に。深田は気持ち悪いって俺らを罵ってから教室に戻っていった。人気の無くなった廊下(遠くにみのりちゃんいるけど)で の手をとって、手の甲にそっとくちびつをつける。めいっぱいかっこつけて。

「参りましょうか?」

そういうと はびっくりして顔真っ赤にしてこくん、と一度だけうなづいて俺が手を引くのに素直についてきて、教室に入った。どうだみんな見やがれ。これが俺の可愛くてちょっと強引で可愛くて恥ずかしがり屋でたまに変な愛しい彼女だ。いいだろう?




がらり。保健室の中から、常伏中養護教諭がその細身の長身を現す。

「ん、あれ?藤くん。HR行ったんじゃなかったの?」
「…」

保健室の廊下で一枚の新聞を見つめる一人の少年。声をかけても答えることなく、身じろぎもせず、ただ息をするのに精一杯の心情で、呪われてしまったように囚われてしまったように。立ち呆けたままその新聞に釘付けにされてしまっていた。

「…藤くん?」

次シリーズ



様、襲来


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