03
午後の授業は眠気と戦ってるうちに終わってしまいました!うぅ…数学ってなんであんなに難しいんだろう…アルファベットばっかりになってくるともういっそこれ英語だろ?!ぎゃーって気分になるよ…

放課後中庭花壇前

帰る準備をさくさく始める私と彩は藤くんと一緒で帰宅部。特にやりたい部活もないし…彩と一緒にいたらいつのまにか帰宅部になってた。

「あ、じゃあ私花壇行ってくるね!」
「私、さき帰るから」
「あぁあ!言うと思ってたよ!」
「待ってたらなんかくれる?」
「気をつけて帰ってね!ばいばい!」

…ちくしょう!なんて薄情なんだ…!!ちょっとくらい待っててくれたって良いじゃないかー!!いいもんいいもん!!私は花ちゃんとたのしく花壇のお手入れしてから楽しくおしゃべりして帰るんだから!帰りにどっかコンビニよったり公園よったりして楽しく帰るんだからっ!!

中庭は校舎の陰になってるところで西っかわに傾いた大きな夕日もここはオレンジ色に染められないみたいで真上の水色と青と藍色のグラデーションだけがちょっと薄暗い感じのあかるさを保っていた。かばんを校舎に立てかけるみたいにして置いて花ちゃんを待つことに。めずらしいなー花ちゃんが私より遅いなんて…。花ちゃん私よりも先に教室出て行ったと思ったんだけどなあ…っ!!

「むぎゃあッ!!」
「ん?」

な、ななな?!なんか背中に!壁みたいなのがどんってぶつかってきた!!ぼうっとしてた私はまさかそんな攻撃くらうだなんて思ってなくて不意打ちの体当たりに体ががくんと崩れた。うぅ…いたいよお…

「 じゃん、何してんの?」
「や、安田くん?!」
「悪ぃ、ちっさくて見えなかった」
「ななななんで安田くんが居るの?!」
「みのりちゃんに午前中サボった罰だって言われて放課後残ってプランター運ぶよう言われたんだよ。花壇当番交代。聞いてない?花巻は帰ったし」
「えー?!花ちゃん帰っちゃったの?!聞いてない聞いてない!!」
「じゃあついでに手伝ってくか?」
「え…」
「俺プランター運ぶのはいいんだけど、花壇にどうやって植え替えればいいかわかんねぇんだよな」
「…いいよ」
「よっしゃラッキー!」

ぁあ!!私の馬鹿!!なんで断らないの?!断れないの?!小さな芽をたくさん並べた重たそうなプランターを抱えた安田くんは私が見えなかったらしく(…そんなに私小さくはないと思う)そのまま私の背中にぶつかってしまったみたい。痛かった、しびっくりした…。そうか、職員室に呼ばれたのってその事でだったんだ…。先生私にも連絡してくれればよかったのに…花ちゃん帰っちゃったんだー…。帰りさみしいな…。私はただいま絶賛私の中株大暴落中の安田くんと肩を並べてしゃがみこんでせっせと小さな苗をプランターから花壇へと入れ替えをしている。…なんじゃこれ…。この状況。

「あーめんどくせー!!爪ん中に土入るし!」
「仕方ないよ、土いじりしてるんだもん」
「そーだけどさぁ…。なんで は当番でもないのに花壇やってんの?」
「…誰もやってくれないから」
「じゃあ もやんなくていいじゃん」
「誰かがやらなきゃ…かわいそうじゃん」
「…ふうん」

安田くんはそれだけ言うと黙々と作業を再開した。…いやだな、安田くん…。なんかやっぱり恐いかも…。私もそれ以上安田くんとお話しすることはないしお話したくなかったから黙って作業を続けた。ゆっくりと中庭が暗くなって、プランターの小さな芽は全部ひっこしを終えた。

「あー!!終わったー!!」
「疲れたぁ…。あー 倉庫の鍵ってどうすりゃいいの?俺みのりちゃんとこ行かなきゃ」
「あ、じゃあ私が事務室に返しておくよ!安田くん職員室行ったらそのまま帰って良いよ!」
「マジで?!助かるッ!!ありがとな!」

やったー!!やっとあの気まずい空間から開放されたあ!!帰りちょっと寂しいけどあの空気よりはましだ!!さっさとかぎ返して家帰って昨日のドラマのビデオ見ようっと!!


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