02
 とこうやって一緒に帰るのが日課になって、たまに…本当にたまーに!!手、手も…繋ぐようになった…!!だいたいくじら公園?に寄ってってしゃべったり、ブランコしたり、しゃべったりしてから帰るんだけど…俺的には最近…それだけじゃ、足んない。っていうか…うん。そろそろ…ね?スキーでもしたじゃん?でこにキス。そろそろ…ちゃんとした…の、したいって言うか…キス、したいなあ…なんて…

夕焼けに染まる、赤い頬

 は、だんだんと寒くなってきた風にあわせて長袖のシャツを着てる。風が冷たいねって言うくせにスカートは短いから俺はおかしくて笑った。最近 と一緒にいると、キスの事ばっか考える。1人の時でもそうだ。どうやったら とキスできるかとか、 とするキスってどんな感じなのかなとか、人の唇ってどんななんだろう?あったかいのか?冷たいのか?どんくらい柔らかいんだろう、べろとか…入れていいのかな?それってどれくらいキスするようになったらやっていいんだろう、 は嫌がったりしねぇかな…逆に… からキス、迫ってきたら…俺どうしよう?!なんか隣で がしゃべってる口元がぷるんとした唇に夕焼けが反射してすげぇいやらしく光ってる。じぃっとそれを見てたら、急に唇がきゅうっと曲がって がくすくす笑い始めた。え?!なに?!

「安田くん、口あけたままぼうっとしてる!どうしたの?」
「え?!あ、口開いてた?!」
「うん!こう、ぽかーんって!お腹すいた?」
「あ、いや!!腹は減ってねぇけど…!!」

しゃべりながら歩いてると、やっぱりいつの間にかくじら公園に居て、 はなんか歌いながら遊具と遊具との間を縫うみたいに駆けて遊びはじめた。もうほとんど落ちた夕日は地平線に溶けて、空はだいだいと紺色をぐちゃぐちゃにしたような色だ。星がひとつふたつ光った。 は俺と一緒にいるだけで、俺としゃべったり笑ったりするだけで楽しいって言うけど…俺はそれだけじゃ足りない。 とキスがしたい。いつか、遠くない未来…キス以上のことだってしたい…。浅ましいって思われるかもしんねぇけど…それって だからしたいって思うんだ、と、思う。…だって、他の女子にそんな風に思ったりしねぇし…別に溜まってるってだけなら雑誌とかビデオとかでどうにかなるんだし…でも、 がいいなって思うってことは…俺は、結構一途なタイプだったのかなあ…。気持ち悪ぃな…。でも、そういうのって…悪くないよな…。 も俺に、そんな風に思ってたりしねぇかなあ…俺とキスしたいとか、俺とヤりてぇとか…は、ねぇな。うん。ねぇわ。それ。 に限って…やりてぇはねぇな。ううん…でも、キスは…どうなんだ? 、自分から俺にキス(でこだけど)してきたんだし…キスは嫌じゃないわけだよな?でこにするなら、口にも…いいのかな?うーん…でも急に にキスしてビビらせたくねぇし…ちゃんと、そういう雰囲気にして…こう、自然と…最近できるだけそういう雰囲気作ろうとして、キスできるように…けっこうがんばってんだけどなあ…邪気が多すぎるのか?俺…いや、これは全然。むしろ無邪気だ、純粋な気持ちだ。うん

「安田くん?」
「おわっ!!びびった!!」
「大丈夫?なんかぼうっとしてる…」
「ん?あ、ああ…うん…」
「ふうん…」

いつの間にか目の前に立ってて、じぃっと俺を見つめてくる 。なんか、そんな風に見られたら…照れるじゃん…顔、熱くなってきた…!!緊張で、鼻の穴がひくひくする…いま、なのか?…キスするタイミング…って?夕暮れで、2人っきりの公園で、向かい合って、見つめあってて…

「あ、のさ… っ!!」
「なあに?」

にこって が笑う。おわっ…可愛い…。なんで名前呼んだだけでそんな嬉しそうな顔するんだろう? って実は俺達よりも嬉しいって気持ちのキャパが狭くて、ちっさいことでも嬉しいって感じるようなつくりになってるとか?それとも俺の声って の事呼ぶときだけすげぇかっこよくなってる?ふくやままさはるとかおだぎりじょーみたいな声になってる?いやいや、そんなことはねぇけどさ…違う違う、今はそんな事考えてる場合じゃねぇ…!!ファ、ファ、ファースト…ファーストキスを… …と…!!

「 !!…あ、…き、キ」
「っきゅしゅ!!」
「っきゅしゅ?!おい大丈夫か?!風邪か?!」
「ふぇ…わ、わかんな…っしゅ!!」
「え?!マジで風邪なんじゃね?!帰るか?」
「う、うん…ごめんね、安田くん!お話また今度聞かせて!」
「お、おう!あ、送ってくか?」
「ううん、大丈夫。ありがとう!安田くんも早く帰らないと、どんどん寒くなっちゃうよ!」
「おう、じゃあ気をつけて帰れよ?」
「うん!」

なんか急にくしゃみしだした は見た目から体調悪そうな感じはしねぇけど、くしゃみしてるってことは…寒いか、風邪なんだよな?…平気か?寒くなってきたからな…。…っていうか、またキスできなかった…。はぁ…帰りに本屋でハウトゥー本でも読んでみようかな…。女々しいな…俺。 の背中を見送ってから自分の家の方向に歩き出すと、後ろからとんっと軽く押された。誰だ?って思って振り返った瞬間。

ぎゅう

「へへ、なんか安田くん、今日は元気ないみたいだったから…」
「えっ?!」
「また明日!学校でねっ!!」

背中でも腹でもないとこに帰ったと思ってた がぎゅうってしがみついてきた…?!自分から抱きついてきといてすげぇ恥ずかしそうに笑ってる…やべぇ…すげぇ、可愛い…!!俺がビックリしてると、ぱっと離れて「へへ、ばいばい!!」って言って走って帰ってった…。だめだ… 可愛すぎる…ぜってぇ、キスしてぇ…。決めた。絶対にする。 とキスします俺。

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