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あれ?…もう、学校…?って思ったら、私はなぜか安田くんの膝で寝ててじぃっとやすだくんに見つめられてた。…あぁ、なんだ…まだ、夢見てるんだ…あー、やすだくんかっこいいなあ…目が覚めたら、やすだくん。元に戻ってるといいなあ…

ただいま!常伏

「なぁ、 !起きてッ!!俺、トイレ行きてぇ…」
「むぁあ、やすだくぅん…あったかい」
「え?!ちょ…!!反則ッ!!」

あれ?夢なのに本当にやすだくんに触ってるみたいだ…ん?ちょっと、まって…ん?!ジャージのざらざらした感じとか、バスのイスの毛がちくちくする感じとか…止まってるバスがエンジンのぶるるんぶるるん言ってる音で揺れてる感じとか…妙にリアルだぞ…?

「あ…の、 さん…まじで、俺…」
「わああああ!!やすだくんッ!!戻ったんだねッ?!夢じゃないんだね?!よかったあああ!!」

安田くんが元に戻ってる!!よかった!!ありがとうハデス先生ッ!!やっぱり先生はいい先生だッ!!よかったよかったあ!!安田くんもどってて!!って!!私なんで安田くんに膝枕してもらってるの?!夢だと思ってたら本当だったよ?!えええええ?!私達いつからそんな大人な関係に…?!私が完全に目を覚まして安田くんに謝りながら安田くんの膝からどくと、安田くんは走ってバスから出てってしまった…。うう、ごめんね、おトイレすごく我慢させちゃったんだね…!!安田くんが行っちゃってから彩が私のとなりの席に戻ってきた。おおう!!彩!!いままでどこに…!!そしてなぜ私は安田くんの膝枕で図々しくも寝こけていたんだ?!

「安田をあんたの隣に座らせば、元に戻るって先生が言ったから」
「ひ、膝枕も?!やすだくんどんな病気だったの?!膝枕したい病?!」
「知らない、でも。治ったならべつにいいじゃない」
「や!そりゃあ…そうだけど…!!」

いまごろになって心臓がうるさい。安田くんの膝枕だよ?!安田くんの…!!どくんどくん体全体が心臓になっちゃったみたいにうるさくて恥ずかしいのと嬉しいのとなんか変な感じなのでいっぱいいっぱいになってうまく息ができない…なにかに溺れちゃいそうだ…!!やすだくん…!!どうしよう!!私ってこんな欲張りだったっけ?!安田くんに、も1回膝枕してもらいたいなあなんて思ってる…!!私のばか!そんなの迷惑だって分かってるのに…!!昨日だってやすだくんのおでこにちゅうしたし、今日は膝枕だなんて…!!頭が爆発しそうなくらい安田くんでいっぱいになる…!!恋ってする時より、してからの方がこんなに大変なんだねッ!!やすだくん!!私もっともっと安田くんと新しい、ちょっと親密な事、したいって思っちゃってるよ…!!すけべだと思って嫌いにならないでねッ!!安田くんがかっこよくて優しくて大好きだから仕方ないんだよう…!!私は彩のとなりできゅうっと小さくなって寝たふりをしながら一生懸命溢れそうな『安田くん好きだ!』っていうのを押さえ込んだ。はやく学校に帰って2人っきりで安田くんにこの気持ち伝えたいよう…!!ねぇやすだくん!知らない間に私達ってこんなに恋人になってたんだねッ!!安田くんは気付いてるのかな?

ちょっと予定時間を遅れてトイレから戻ってきた安田くんはなんだかちょっと疲れてて、私の席の後ろに座ってすぐに寝ちゃった。本当は膝枕のお礼を言いたかったんだけど…寝ちゃったなら起こしちゃうの可哀相だし…学校帰ってからにしよう。なんだか美作くんが安田くんに話しかけて大きな声で笑って、明日葉くんがあわててたけど…どうしたのかな?安田くん…だいじょうぶかな?…それも学校に帰ったら聞いてみよう!あぁ、スキーできなかったけど!なんだかこう、安田くんとの距離がすっごく縮まったって言うか…いいスキー合宿だった、なあ!!もう1回やすだくんのおでこにちゅう…したいな…。私のえろ…。

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