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結局そのあとは、ちょっとランド内をうろうろしただけで終わっちまった…。アトラクションに乗るにはテンションが低すぎて…しかもお互い疲れまくってて、おもに俺が…走り回った所為で体がったがたになっちまって… が気ぃ遣って帰ろうか?って言ってくれた。いや、俺は絶対に とディスティニーランドをエンジョイしてやるって、ランド内連れまわす気満々だったんだけど、 が「もう十分おなかいっぱいです」って笑うから…あぁ、敵わねぇなあって思った。夕方には常伏に着いて、さよーならー。あー、明日学校かあ…

たとえばこんな…

「やすだくん、一緒に帰ろ?」
「おう」

美作たちに土産買ってねぇって言ったらすげぇキレられたけど、土産話は盛大に笑われた…うう、不甲斐ねぇ…!!昨日勢いで の事抱きしめた。髪の毛がすげぇいい匂いで、抱きしめてみると体ほそっこくて柔らかくてあったかくて…ちょっと、胸があたってた。いつか、俺と って…そういう事になったりすんのかなあって思うとちょっと…にやけた。そんな風にすごしてたらいつの間にか1日が過ぎてて、下駄箱で靴はいてたら が一緒に帰ろうって、深田はいいのか?って訊いたらにこって笑われて手を差し出された。…繋げって、事か…?ちょっと…なんか、緊張するな…。夕日がきれいで、その夕日に照らされた の髪の毛がいろんな色に反射しててすげぇきれいだった。今日は天気がよかったとか、4限目が眠かったとか、明日は体育があるねだとか…そういうまさに学生の会話を続けながら歩いてると が急にいつも曲がらない道を曲がった。

「え?なに?」
「こっち」

よくわかんぇけど、 に手を引かれるままあるいてったら噴水公園に着いた。あ、なんだっけ?くじら公園だっけ?

「公園?」

俺のほうに背中を向けてた にきいたら、 はくるっとまわってこっちを見た。あ、スカートめくれた…ぱんつ見えそう…。てか…可愛いなこいつ、なんなんだ おまえ…。にこって笑って首をかくんっと傾ける 。きれいに光に染まった髪がさらりと流れた。

「ここで、デートしてきませんか?」

やっぱり には敵わない気がしてきた。

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