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朝です。おはようございます!今日は安田くんとディスティニーランドにデ、デート…!!に行く日です!行っちゃいます!行ってきますッ!!どきどきする!!服変じゃないかな?!髪も、くしゃくしゃになってないかな?お化粧平気?!大丈夫かな?!あああ!!どうしよう、もう1回鏡みておこう!!

人生で一番、最高の日

髪はゆるくパーマかけてワックスでふわふわにしてある。ポイントに赤いカチューシャして…変じゃないかな?!お化粧は薄めで、チークはオレンジ。薄ピンクのぽってりリップをつけて手首にはストロベリーの練り香水。お洋服は白くてさわり心地のいい半そでのTシャツに黒とかベージュとかの肩ヒモ膝丈のワンピース。かるくだぼっとしたカーディガンを着て、肩掛けかばんをぶら下げてる。ラメ入りのトレンカに足先にこちゃこちゃ宝石のついたぺたんこのパンプス。…一生懸命考えたけど…私のセンスってこんなのもかぁ…彩に相談すればよかったなあ…安田くんはどんなお洋服着てるのかな?…かっこいいんだろうな…私はどうかな…可愛いって、思ってもらえるかな…?心臓が静かにどくどくする。制服の安田くん…じゃあ、ないんだ…どんなのか想像しただけで緊張して頭の中がぱちぱちした。

道路挟んだ駅の反対側で信号を待ってたら安田くんが居るのを見つけた。わああ…かっこいい…。柱にもたれかかってぼうっとしてる。…なんか、初めて帰り道送ってってくれた時に似てる…。かっこいい…し、なんかたくさん人がいる中で安田くんだけがぼんやり輝いてみえる…なんだこれ、病気か?それとも安田くんのオーラか?安田くん服装大人っぽいなあ!!私、こんな…ちっちゃいこみたいな服装で…安田くんとつりあわない気がしてきた…!!あああ!!やっぱり彩に相談すればよかった!!足元でキラキラ光る青とか赤とか黄色とかを見ながらぐずぐずしてると信号が青になって、周りの人がどんどん進んでって、何回か押された…。私と同じくらいの女の子はぎりぎりのスカート丈にぐんぐん高いヒールを履いて胸元もぐあばっと広い服を着て彼氏(?)っぽい人にべたべたしながら歩いてった。…大人っぽいなあ…。お化粧もすごく上手…付けまつげばっさあで、小悪魔だ…はぁ…安田くんもああいう子のほうがいいのかな…私なんかより…

「おーい! ッ!! ってば!!やっほー! ー!!」

へっ?顔を上げると信号(あ、赤になっちゃった)の向こう側で安田くんが大きな声で私を呼んで手をぶんぶん振ってた。わ、まわりの人ビックリしてるよ…!!や、やめてやすだくん…!!

「や、やすだくーん!!聞こえてるからいいよ!」

私も口に手を当てて安田くんに向かって大きな声を出したら安田くんはぱっと挨拶するみたいな手のあげ方をしておとなしく信号を待った。ふぅ…びっくりした…。信号が青になると安田くんは向こう側から一番にこっちに駆けて来て、私のところまで来てくれた。

「おはよ」
「お、おはよう」
「なにぼうっとしてたんだよ?」
「え…あ…」

私のお洋服変じゃないかな?髪の毛もおかしくない?もっと大人っぽい服じゃないと安田くんとつりあわないんじゃないかな?ちょっとでもかかとのある靴はいて、安田くんとの身長差縮めたほうがよかった?安田くん服装とってもおしゃれでかっこいいのに…それに比べて私…また、靴の先の宝石をじぃっと見つめて口をつぐんじゃう…。やだな…これじゃあ安田くんに嫌われちゃう…せっかく楽しい日になるはずなのに…会ってすぐにこれじゃあ…

「 、なんかいい匂いする」
「あ…うん、香水…ストロベリーの」
「いちご?あー、 っぽいな!俺好きだよそれ」
「…えッ」

安田くんがぱって笑って私の頭をくしゃって撫でる。それだけでさっきまで考えてた嫌な事全部吹き飛んじゃって、目の前が本当にしょわーって明るくなった気がした。

「行こうぜ」

安田くんがそういって歩き出すから私もそれについて歩き出した。途中で信号が赤に変わっちゃったから、2人でかけっこするみたいに走って駅について笑った。ぺたんこのパンプスでよかった。ヒールがあったら絶対はしれなかった…。宝石がきらりと光る。駅でディスティニーランドの最寄り駅までの切符を買って、それをぎゅうっと握り締めた。…安田くんと、本当に…デートに行けるんだ…

「なに?切符に願掛け?」
「ううん、安田くんと本当にいけるって思って…うれしいなあって!」
「ははッ、なんだそれ」

笑って安田くんも安田くんの切符を見た。もちろん連番。切符は手元に残らないのが残念だけど…私がそう思ってると安田くんがケータイを取り出して写真って言った。あ。切符をもった私の手と切符をもった安田くんの手を並べて写真を撮る。日付も時間も私と安田くんの手も。ぱしーって音で静止画になった。

「ありがとう!安田くん!!今日は絶対、人生で一番最高の日になるよ!!」
「大げさだなあ!!…そういやさ、 」
「ん?」

安田くんが私をぱしーってケータイで撮った。え?!なに?!変な顔してた?!

「今日のかっこう、すげー可愛いよ」

もう、人生で一番最高の日になりました。





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