03
はぁ…とうとう明日か。 と、デ…デート、かあ…ッ!!緊張してなんか今から手が震える。肺がいっぱいになるような、胸がつまるような変な気分をどうにかするために部屋の窓を開けて外に身を乗り出してみた。はああ!!でっかいため息をついてから空を見上げると真っ暗になりきってない中にたくさんの小さな星がちかちか光ってた。 もおんなじ景色見てたりすんのかな…

あまずっぱ少年

なあんて、かっこつけてみる。ああああ!!どーしよう?!なんかほんと、自我を保っていられねぇ…!!もう時間は夜の10時で、風呂はいる前に明日着てく服も、持ってくかばんもベルトも靴もハンカチ・ティッシュにいたるまで準備しつくしちまって…やることがねぇ…!!けどまだ寝れねぇ…ってか寝れねぇッ!!緊張して寝れねぇとかなんだよ小学生かよ?!ああああ!!準備は出来た、大丈夫、完璧だ。小遣いだってちゃんと余裕持って行動できるような額を準備してある。大丈夫。パンフレットも深田に分けてもらったし、ワックスもかばんに入ってる。はぁああ!!あとは、明日寝坊しないように駅に行って と合流して、ディスティニーランドに行くだけだうんそうだそれだけのことじゃないか!!何をそんなに緊張してるんだ俺ッ!!おちつけって大丈夫っ!!何にビビッてんだよッ!!ふぅ… って普段どんな服着てんのかなー、やっぱスカート?ふわっとかひらっとかさせてんのかなあ?どうしようやばいなそれ、可愛すぎるな。ピンクのひらひらとかだったらどうしよう俺…って!!どうもしないって!!初めてのデートでそれはない!!ないないないッ!!うぅう、 の事考えたらまた余計に緊張してきちまったあ!!美作の言ってた通り俺の私服見て「あッ…ごめんね安田くん。ちょっと私用事できたからかえるね。あとついでに別れよう」って言われたらッ!!ま、まさかな… に限ってそれはねぇよ!そうだって!!そんなひどい奴じゃねぇし、俺の私服のセンスだってそんな悪くねぇはず…!!ちょっとでもかっこよく、大人っぽく見えるように選んだ服。濃いグレーのパンツに薄いストライプのカッター、黒に小さく赤のアクセントがはいった細身のネクタイにゆるいジャケット。アクセサリーの代わりにちょっとごつい腕時計つけて…靴は先のとがったローファー。かばんは小さいケツらへんまでのリュックで…平気、だよな?…ちょ、誰かに相談しとけばよかった…!!っはだめだだめだッ!!緊張すんなって!!落ち着け落ち着け!!部屋をくるくる歩き回って熱子のポスター一つ一つに向かいあって予行演習。「 、似合ってるなその服」「制服もいいけど、私服も可愛いんだな って」「 ちょー可愛いぜッ!!」だめだ最後のはなんかじょうだんっぽい…ううう… なら、何着てたって可愛いんだどうせ。わかってる…だから緊張するんだよお!!ヴーヴーヴーお?

「はい?」
『あ!こんばんわ安田くん!』
「 ッ!!」
『ごめんねこんな時間に』
「あ、いやいいよ。俺まだ起きてたし」
『よかったー、なんかね私緊張しちゃって、へへ』
「あー、でも寝ないと明日辛いぜ?」
『うん。分かってるんだけど…』
「ん?」
『安田くんとお出かけできるって思うとどうしても…っくうう!!って』
「ははッ!!なんだそれ」
『へへー、あのね安田くん。誘ってくれてありがとね』
「あー、うん。いや、俺も と行けてうれしいよ」
『ふふっ!!ありがとッ!!なんか照れちゃうねッ』
「〜!!…だったらもう寝ろッ!!」
『あー安田くんも照れてるんだ?!』
「だったらなんだよッ!!明日遅れたら置いてくからなッ」
『えー!!意地悪ッ!!』
「うそだよー」
『うわッ』
「…ふぁあ」
『あ、あくび』
「あ、ほんとだ」
『じゃあ、もう寝なきゃね』
「うん、じゃあ…」
『おやすみなさい』
「ん。おやすみ」

さっきまで の事考えると緊張して寝れない落ち着かない状態だったのに、 から電話がきて、しゃべってたらだんだん眠たくなってきた。…ちょっとそれって失礼だけどさ、なんか…いいな、こういうの。あー!!もう明日は を褒めまくろうッ!!だって絶対可愛いもん!! が言ってた…くうう!!ってなる感じ。いまよく分かる。俺はその場でどたどた足踏みしてから向かい合わせの壁に貼られたウインクしてる熱子にむかってとびっきりのウインクをした。おやすみっ!!(はやく明日になれッ!!)


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