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やすだくんとディスティニーランド行きたい!!絶対楽しい!!だって安田くんとだよ?!楽しいに決まってる!!楽しくないわけが無いよ!!だって私やすだくんと普通におしゃべりしてるだけでもう、きゃー!!ってなっちゃうくらいお腹もほっぺも痛くなるくらい笑うし楽しいしやすだくんかっこいいやすだくんすきだなあ!!ってなっちゃうんだもん!!安田くん!一緒に居られるだけでうれしいよ!でも、さ…やっぱり…安田くんとお出かけ…したいなあ…って…思っちゃうよ…わがままでごめんね安田くん。でもすき。

お願いダーリン

「なぁ 」
「ん?なぁに安田くん?」
「んーあ…いや…天気いいな!」
「うん!そうだねーお布団干したくなっちゃうね!!」

教室のベランダからハデス先生が保健室のお布団を干してるのが見える。あーいいなあ、あのお布団で寝たら気持ちいいだろうなー…。まただ…。また安田くん黙っちゃった。最近安田くんへん。なんか一生懸命考え事してるみたい。かと思ったら急に慌てだしたり、また黙っちゃったり…私の名前呼ぶからなぁにって聞くとすっごい真面目な顔してて、どうしたんだろうって心配になる。でも結局大事なお話じゃあないみたいで…真面目な顔の安田くんすごいかっこいいし、安田くんに名前呼ばれるだけで私どきどきして緊張しちゃうから…あんまり意地悪なことしちゃやだよ安田くん。どうしたんだろう…前は…お互い好きって事告白しあう前は、もっとおしゃべりが盛り上がってた気がする。今だってもちろんおしゃべりは楽しいんだけど…両想いだって分かってから、ぎくしゃくしてるきがする…はぁ…これじゃあディスティニーランドどころか、普通に休日のお出かけにだって誘えないよ…。一緒にお出かけしたいのになあ

 の事をデートに誘おうって決めてからもう3日になる。…デートってどうやって誘うんだ?!というかデートってなんだ?!どうやればいいんだ何をすればいいんだ?!デートって何が成功で何が失敗?!わかんねぇなんもわかんねぇ!! 誘ってどっか遊びに行きたい、たぶん だってそれを望んでる(と思う!!)けど、どうすればいいか分かんねぇ…。こうやってしゃべってるだけでにこにこうれしそうにしてる 見ると、あーどっか一緒に遊びに行きてぇなあ、どっか楽しいとこ連れてってやりてぇなあ、きれいな物、きれいな景色、なんでもいいから見せてやりてぇなあって思う。けど…。俺はデートで の事ちゃんとリードしてやれるのか?!楽しませてやれるのか?!だいたいデートってなんだ?!どこに連れてくかとか何食うかとかってすげぇセンスが問われるよな?!あー!!失敗して の事がっかりさせたくないし、なぁ!!かっこ悪いとこも見せたくないし…うう…だから誘えない…なぁおい神様、俺ってこんな臆病な感じじゃなかったよな?恋って人をこんなに臆病にさせるのか…

「じゃあ彩たちは今度の休みに行くの?」
「そう、来週からは絶対に混むからね」
「あー!そうだね!新しいパレードやるもんね!」
「そうそう…あ、電話だ」
「ひゅーひゅー!」
「うっさい」

彩は彼氏さんから電話が来て、ベランダに出て行ってしまった…っていうか、学校ではケータイ使っちゃだめなんだよー安田くんも平気で使ってるけど本当はだめなんだからねー!!はぁ…いいな、彩…。私も安田くんといきたいなあ…机の上に広がる何枚ものカラフル極まりないディスティニーランドのパンフレットを指先でくるくるまわしてみる。くるくるくるくるしゅんしゅんしゅんしゅん

「 、何してんの?」
「あ、やすだくんッわ!」

急に安田くんが名前を呼ぶからビックリしてパンフレットをしゅーんって飛ばしてしまった…!!しゅーんってそのまま安田くんのほうにとんでっちゃってああ!手裏剣みたいだ!安田くんにあたっちゃう!!って思ったけど案外はやく床に落ちた。よかった…

「ごめんね、安田くん」
「いいよ、当たってねぇし」

私はイスからおりて安田くんのほうに飛んでったパンフレットを拾うために、安田くんと向かい合わせになるところでしゃがんだ。そしたら安田くんもしゃがんできて…すごく…ちかい…。私のおでこと安田くんのおでこが当たっちゃいそうな距離でふたりともおっこちてるディスティニーランドのパンフレットのはしっこを片手の指でおさえた。…こんなに近いとはずかしいなあ!!うう、安田くんかっこいいなあ!!ってか、私変なにおいしてないかな?!汗とか大丈夫かな…うう練り香水しておけば良かった…!!安田くんはいつもの安田くんの匂いがする。シャンプーの匂いなのかな?すごくいい匂い。好きな匂いだ。

「…ディスティニーランド?」
「…うん、彩が行くやつ」
「深田1人で行くのか?」
「…違うよ…その…あー…。彼氏さん、と?」
「ふふっ、なんで疑問系?」

安田くんはたまにこういう笑い方する。鼻から空気が抜けていくような大人の笑いかた。大きな声出して笑うことのほうが多いけど、たまに意地悪みたいに私をからかったり、お兄さんぶったりするときに無意識にこういう笑い方になってるのがすごくかっこよくて安田くんなのに安田くんじゃないみたいで恥ずかしい…ほら今も、すっごいどきどきしてる…うう・・・やっぱりやすだくん好きだああ

こつん

安田くんのおでこが私のおでこにぶつかった。しゅりって髪の毛がこすれる音が聞こえたけど、安田くんには聞こえたかな?すごく小さな音だったから…心臓がいままでで一番うるさい。ばくんばくんしてる。体もあっつくなるくらいに…安田くんがパンフレットを床の上でこしゅこしゅ動かした。

「行きてぇ?」
「…いきてぇ」

安田くんは自分がふわっと立ちあがると私の手をさっと引っ張って立たせてくれた。王子様みたいだ…!!真っ赤になってる私にディスティニーランドのパンフレットを渡してからまたお兄さんみたいな笑いかたして私の頭に手をぽんっと置いた。これ、デートの約束だ…!!わ、わたしとやすだくんがディスティニーランドに?!

「予定、空けとけよ?」

もちろんですとも!!安田くんかっこよすぎるよ…!!

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