あなたとあたし
私は斜め後ろの席の安田が好きだ。でもたぶん安田は私のこと好きじゃない。好きじゃないって言うのはおかしいかも…嫌いって言うのは伝わってこないけどなんかこう…男女間のちょっとピンクいもやがかかったような、まわりにきらきらが飛んでたりするような可愛い雰囲気にはいまだかつて出会ったことが無い。たぶん「絡める女子」みたいなカテゴリーに入ってるんだろうな…。いつかの暑い日。体育の授業が外のグラウンドで、私は生理痛がひどくて見学してたんだけどたまたまみのりちゃんが出張でいなくて担当の先生が意地悪な男の先生だった所為で私は保健室で休むことを許されなくてしにそうな位あっつい、日陰ですらないところで正午近くの元気な日光をもろにうけてもうふらふら。しにたい。って思ってたときだった。男子がやってたサッカーのボールが私めがけて吹っ飛んできてボコっ。私の顔面にクリーンヒット。頭ふらふらするしまさに泣きッ面に蜂。その時におい大丈夫か?って声掛けてくれたのが安田だった。先生になんかしゃべって私を保健室まで運んで行って、すずしい部屋で休めれるようにしてくれた。それで好きになっちゃって…後日話を聞いてみるとあれは安田が蹴ったボールで、保健室まで連れてったのは自分も体育の授業をサボりたかったかららしい。でもそんな事いわれても、もう好きになっちゃった後じゃ遅いよ…。それから安田と仲良くなってよくしゃべるようになった。でもしゃべるって言うかなんかいつもちっちゃい喧嘩みたいなのばっかしてる。好きだから本当は嫌じゃないんだけど、安田にそんな気が無いのに態度に出すの嫌だから…。なのに授業中とかすごくちょっかいかけてくる。くしゃくしゃになった紙切れになんか書いてよこしてきたり消しカス飛ばしてきたりする。

(おい!みょうじっ!!おいなあ!みょうじってば)
(なに?)
(みろよ先生チャック全開)
(ん?)

「ぶふっ」
「ん?みょうじどうかしたか?」
「あ…いえ何でもありません」
「ぎゃはははは!!」
「なんだ安田?」
「先生チャック全開ですよ?!」
「…っな!!」
「ふふっ…あははははは!!」

安田の所為で私が笑っちゃって、先生のチャックの事を安田がばらしてクラスのほとんどの人が笑い出した。あぁみんな我慢してたんだな…

「〜!!安田とみょうじ!!授業の妨害の罰として昼休みに飼育小屋の掃除!!」
「「えー?!」」

安田の所為なのに…。飼育小屋って臭いからいやなんだよね…あ、でもウサギ可愛いからいいか…。というか…安田と昼休み、2人っきり…って事、か…。…ふうん。


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