好き好き大好き
「なぁ、みょうじよ…」
「なッ、なに?!安田くん…」

なんか安田くんが、ぼうっと窓の外を眺めながら私に問いかけてきた。…なんか今日の安田くん変なんだよね…いつもは絶対に自販でお茶なんて買わないのに(お金出してわざわざお茶飲むなんてナンセンスだぁあ!!ってお茶買ってる1年生に掴みかかった事もある…)、今日は…なんと…ミネラルウォーター…!!を、ご購入されたのだ…!!

「や、安田くん…それ、お水だよ…?間違えちゃった?」
「…ああ、本当だ…冷てぇ…あったかいの買おうと思ったのに…」

ええ?!さすがに自販に『お湯』は売ってないよ…!!

みたいな事件が起きたり、私のスカート丈を「短すぎねぇ?寒くねぇ?」ってすごく心配してくれるし…(いつもはスカート捲って来るんだよ?!あ、二人っきりのときだけど…)シャツのボタン掛け間違えてたりするし、ずっとシャーペンかちかちやってシャー芯落として、戻して、かちかちして落として、戻してって…新しい拷問みたいなの開発しちゃってるし…と、とにかく安田くん変だなーって思ってたら、急に安田くんが新鮮じゃない魚みたいな目で私を見た。ど、どうしたんだって言うんだ?!安田くん…!!

「俺のこと、本当に好き?」
「うぇえ?!ごほっげほ…!!ど、どうしたの?!急に…!!」

私がびっくりして(飲んでたレモンティーでむせた)ると、安田くん(間違えて買っちゃったミネラルウォーターを日向で揉んでる…あっためたいのかな…??)は泣きそうな顔になって私の肩をぐっと掴んできた…!!

「だってよォ!!お、俺…正直、顔面で藤に勝てる気しねぇし…!!人望では美作に勝てねぇし、明日葉みたいに可愛がられるタイプでも、本好みたいに秀才でもねぇし…!!なんで、俺…みょうじに好かれてるのかわかんねぇんだよ…!!もしかして、本当は、みょうじ…俺のこと、好きじゃないのかも知れねぇ…って思ったら…!!」

うわああああん!!って安田くんは赤ちゃんみたいに泣き出して、私に抱きついて震えだした。うッ、わ…や、安田くん…可愛い…!!

ずびずび鼻水をすする音が聞こえて、安田くんが本当に泣いてるんだなーってのがわかる。ああ、可愛い…!!安田くん可愛すぎるよう…!!ふわふわの髪の毛をゆっくり撫でながら、私も赤ちゃんをあやすお母さんみたいに安田くんの頭を抱きこむ。安田くん!!私がこんなに可愛い安田くんのこと好きじゃないわけが無いじゃないか…!!可愛い、可愛いよう!!安田くん!!

「安田くん、私やすだくんのこと大好きだよ?」
「でも…おれ、好かれるような…何もねぇし…」
「そんな事ない!!安田くんは可愛いもん!!」

安田くんは私の体から顔を離して(鼻水垂れてる)拗ねたみたいな顔をして俯く。そんな安田くんの肩をにぎった。

「安田くんはかっこいいし、背も高いし、ちょっととがった目だって、すっとした鼻筋だって、大きい口だって…全部全部かっこいいもん!!藤くんとか美作くんとかと比べる必要なんてないよッ!!私には安田くんだけだよ?安田くんのことしか好きじゃないもん!安田くんが一番だもん!」
「みょうじ…」
「それに、安田くんのわき腹のほくろだって大好きだし!まだ残ってる蒙古班だって可愛くて大好きだし、指のささくれかんじゃう癖も可愛いし、すぐに深爪しちゃうのも可愛いし、何でもにおいかいじゃう癖も、すぐに私の指とかほっぺとか舐めたがるのも、髪の毛こちょこちょいじくってくるのも、ふたりっきりになるとすぐに甘えん坊さんになっちゃうのに、たまにすごく大人っぽくなるのも…!!大好きなんだよ!!」
「あ、え…ちょ、みょうじさん…声、大きいです…ここ教室…」
「あと!!エッ×の時にち×び舐めるとすごく気持ちよさそうにするとことか、すぐに声が上ずっちゃうとことか、そのときだけ私の事みょうじって名字じゃなくておなまえって名前で呼んでくれるのとか、さんざん思いっきりしといて『辛くない?』『大丈夫?』『平気?』って急に心配してくれるのとか、ああ、夢中になってくれてるんだなーって嬉しくって、大好きだし、口の外でべろぐちゃぐちゃするの大好きなのだって、ちょっといやらしくって恥ずかしいけど大好きだし、よだれ腕でぐってぬぐうのもかっこいいし、射×するときに、ぎゅううって抱きしめてくれるのも、体ふいてくれるのも抱っこしてくれるのも大好きなんだよ!!ねぇ安田くん!!私こんなにも安田くんの事すきなんだよ!!」

「あ、はい…あの、みょうじさんが俺のこと好きってのはわかったから…嬉しいから…ちょっと落ち着いて…」

よかった!私、安田くん大好きだから、ちゃんとそれ伝わってよかったよ!!安田くんはなんだか、いつもどおりの顔になって(ちょっと汗かいてるけど)私の口を押さえてきた。あ、ちょっと声大きかったかな?でも、そのくらい安田くんのこと大好きなんだよッ!!安田くん!!

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