ダイブ・トゥ・君
※このお話は週間少年ジャンプ36・37号の神回の後日論的な?ものが含まれています。特に支障はありませんが、ぜひ本誌様をお読みいただいて大変かっこいい、バカかっこいい安田くんをごらんになられてからのご閲読をお勧めします。安田…もう、お前には何も言うまいよ…やりたいようにやってごらん。服部は何があってもお前についていくよ…


「本当に先生。勘弁してください。マジでなんで安田がなんか色々やらかすたびに私が呼び出されなきゃいけないんですか?」
「ごめんねみょうじさん…でも安田くんにはやっぱり、恋人のみょうじさんの言う事が一番応えるかな?って思って」
「付き合ってるからって…私安田のお母さんじゃないんですよ?マジで、先生達でどうにかしてくださいよ…」
「う、うん…ごめんね。でも安田くん、僕の話も才崎先生の話もあんまり聞いてくれないものだから…」
「…役立たず」

セミがぎゃあぎゃあ喚く中、安田がまたやらかしたらしい。っていうかやらかした。女子と男子のプールの授業が別々になたことがどうとかで、なんちゃらかんちゃら…面倒くさい。私は花ちゃんたちとプールから上がって、むわっと暑い教室で着替えて髪の毛の水を一生懸命タオルでふきふきして、さぁトイレの鏡で髪の毛直すぞー!!ってブラシとかいろいろ女の子用具を持って教室から飛び出すと、申し訳なさそーにハデス先生が廊下に立っていた。マジで…?なんか知らないけど、安田が学校でなにかやらかすたびに私が職員室あるいは保健室に呼び出されて、みのりちゃんとハデス先生に見守られながら安田を説教するって言う謎の儀式を任せられる。安田は私が言う事(だいたいイライラしてるからすごい辛らつな事言っちゃう)にずびずび鼻水たらして泣きながら頷いたり、首もげそうな勢いでぶんぶんと頭を振って否定したり、最終的には私が

「もうこんな事するなら別れる」

っていうとぎゃあぎゃあとお菓子買ってもらえない小さな子がスーパーのお菓子売り場で駄々こねて泣き喚くように私にしがみついてそれはやだ!お願いだからそんなこと言うなよ!俺ほんとにみょうじ居なかったらどうーすればいいの?!マジでこんなことしませんちかいます!だから別れるとか言わないでください!!って喚きちらす。鼻水とか、涙とかでぐちょぐちょになった安田の顔をハデス先生がハンカチ(あるいは脱脂綿)でぬぐってあげて、じゃあもう本当に二度としちゃダメだよ?みたいな保育士さんのようななだめ方で安田を泣き止ませる。それで、安田が落ち着いたらみのりちゃんが指導室に連れてって反省文やらなにやらの処分を下すってわけなんだけど…なんで安田の所為で私までこんな面倒なことしなきゃいけないの…?てか、私がいるなら、プール覗くとかしないでよまったく。私だって気にならないわけじゃないんだからね…マジで次やったら別れちゃうかもよ?安田くん?

その日、安田と一緒に帰ってるときに髪くしゃくしゃだなって笑われた。マジお前なんなの?お前の所為だよって怒ったら手櫛で髪を梳いてごめんごめんって謝られた。…なんでこういうときだけそんなにかっこいいんだお前は…本当に、これあれだね、惚れた弱み?お互い様なわけだけど…。水吸って重たくなったタオルとか、水着とかが入ってるプールバックで思いっきり安田をなぐってみれば、なんのご褒美?!って喜んでた。ああ、ばか気持ち悪い。大好きだ。

「そういや、明日も女子ってプール?」
「ん?そうだよ。男子は器械体操4時間要るんでしょ?」
「そう、すっげーめんどう。器械体操ってなんだよ、三角木馬かよ」
「安田が乗るなら見たいな…」
「マジで?!おまえやっぱそういう素質が…?!みょうじのためなら俺…がんばるぜッ!!」
「顔がウザい」


じゃっぽーん!!あー、プールの授業ってなんでこんなに楽しいんだろう?!いやいや!!そりゃあまぁ!!花ちゃんもシンヤちゃんも水着で可愛いし、あっつい中で冷たいプールはいるの気持ちいし、男子居ないから色々気にしなくていいし!!楽しい事尽くめだもんね!!あー日焼気になるけど、やっぱ気持ちいわー。ちゃぽんちゃぽんって耳元で水が揺れるとちょっと時間を置いてから、体もぐらりぐらり揺れて不思議な気分になる。水の中の体はひんやりしてるのに、ちょっと水面からのぞく部分が太陽にじりじり焼かれてあつい。水の中なのに汗が出るし、本当に不思議だ。でも気持ちがいい。すーっと背泳ぎしてたらがっつーんと頭に衝撃が…!!鼻血ふく!目が飛び出る!し、しぬぅ…!!目やら鼻やら口やらにざぶりと水が入ってパニックになる。がぼごぼぎゃあしぬしぬ!!溺れじぬッ!!ってもがいてたらみのりちゃんが助けてくれた。

「みょうじさん!大丈夫!ここはまだ足が着くところよ?」
「あ、わ…おなまえちゃん!!ごめんなさいッ!!私のバタ足が…!!」
「あ…あれ花ちゃんだったのか…馬に蹴られたかと思った…」
「大丈夫?みょうじさん?テラスで休んでますか?」
「あ、大丈夫です…でも、教室に目薬取りに行っていいですか?目になんか入っちゃったみたいで…」
「終業までに戻ってこれるならいいわよ、一人で大丈夫かしら?」
「平気ですよッ!!」

目がちくちくする。多分プールのゴミが入っちゃったんだろう…一つ一つの教室から別々の授業の音がしてるのに、壁一枚はさんだだけの廊下はセミの声が聞こえるだけだった。ぺたりぺたりと私の湿った足音が響く。廊下の窓からは青い空と白い雲、体育館が見えた。ああ、安田が跳び箱跳んでるところ見てみたいな…なんかへんな事叫びながら跳んだりするんだろうな、着地とかも変なあのかっこつけてるくせにアホみたいなポーズとったり…ぜったいやってるな…他の男子生徒にバカにされても貫き通してそうだ…。

がらがら。教室のドアを開けると、あっためられた空気がもわりと私を包み込んで、制汗剤やらチョークやら制服やら、たくさんのにおいを運んだ。女のこの机の上には靴下、制服、キャミソールなどなど…きれいにたたまれて置いてある。こういうのって性格出るんだよね。私はキャミソールにパンツとブラを包んで、さらにそのキャミソールをタオルに包んでおくっていう思慮深さ(?)を持っている。のにもかかわらず、何故かブラをイスの背もたれにぽーんとたらしておくだけっていう子がいたりする。おい…それはないだろう…ってちょっとうんざりしながら自分の席のかばんを取りに行こうとすると…

「…」
「…」
「…なにしてんの?」
「…!!」

何故か居ました、安田くん。私の席に座って机にうつぶせになってる。なにしてんのコイツ?いま授業中じゃん。びくっと肩を揺らした安田をほぼシカトして私は机の横にかけてあるカバンに手を伸ばそうと…し、たらッ!!!!!!

「ッぎャ…!!んむむむー!!んもんもッ!!」
「ちょッ!!頼むッ叫ぶなッ!!」

こいつ…!!ぎゃあああ!!安田お前マジで学校で、私のパンツでオナってんじゃねぇよッ!!って叫ぼうとしたらがばあって安田に羽交い絞めにされて口ふさがれた…!!わああああああああ!!おまえッ!!オナってた手で…!!くちッ!!触ってんじゃねぇよ!!ぎゃああああああ!!わあああああああ!!!安田はズボンもパンツも膝まで下ろした状態で立ち上がって私をぎゅうっと後ろ向きに抱きしめる。なんだ?!なんだこの光景…?!私は水着のままで安田は下半身丸出しで2人っきりの教室で授業はまだまだ余裕で30分くらいある。ていうか放せっ!!安田ッ!!はなせッはなして…!!水着越しの腰あたりに安田の固くなってるのが当たる。は、はずかしい…!!

「もがッはなして!」
「…はぁはぁみょうじ…おまえ、水着すげぇ似合う…えろい」
「やッ!!」

脇のところから安田の手がみちみち侵入してきて、おっぱいを触ってくる。さっきまでプールに入ってた私の体はまだ、ちょっとひんやりしてて安田の手が余計に暑く感じる。ぐにぐにと狭い水着の中でおっぱいを触られると、水着全体がずれて、こすれて、他のところまで変になっちゃいそうだ。わたし…目薬、取りに来ただけなのに…!!両方の手を水着に突っ込んできた安田は私の耳に後ろからがぶりと噛み付いて、べちょべちょずるずる耳の中を舐める。うあッやッ…やすだァ…だめッ!!

「ちょ…ごめん俺もう」
「へッ?!やだッ、ここ学校…!!」
「みょうじ、股開いて…?」
「やだってば…!!んッ」

中に直接入れるわけじゃなく、安田は私の太ももの間に自分のを挟みこんで本当にえっちしてるみたいにがくがく腰をゆする。自分の白い太ももの間にちらっと覗く安田のグロテスクなのを見せ付けられると、信じられないくらい似合いの光景じゃないのにぞくぞくして私までへんな気分になった。水着になんかがじわりと沁みたのがわかる。ああ、恥ずかしいな…!!耳もとで安田のはぁはぁ言ってる声とか、たまにくってなんかにこらえてる声とか、はッって息を浅く吐く声とか…して…安田かっこいいな、好きだなって全然話にそぐわない気持ちになる。ぐぷぐぷいってる下半身に、廊下に響く授業の音、セミの鳴き声、安田の声。頭がおかしくなった。

「ごめんなさい、もう二度としません」
「そんな事が聞きたいんじゃありません」
「だって…あのさ、俺気が付いたんだ。女子の水着姿ばっかりに気持ちがとらわれすぎてたんだよ。よく考えてみりゃあさ、水着きてるってことはさ、他はがら空きってことじゃん?それならおとなしく教室で色々普段見るとこのできない、手に取る事のできない柔い下着やらキャミソールやらをさ」
「で、私のパンツで何してたの?私ちゃんとタオルにくるんでおいたはずなのに、なんで机の上にでてんの?何したの?嗅いだの?殺されたいの?」
「…触って、嗅いで…あの、ちょっとだけ…口をつけました」
「もうやだ。マジで別れる」
「やああああああだあああああ!!別れるとかマジで言うなよッ!!ばかッ!!お前マジ…みょうじばか!!お前そんな事いうんなら子ども作って責任取らせてもらうからな?!おいきいてんのか?!」

がん!!って安田に押し倒されて床に背中をばったーんて打った。い、いたい…!!安田は私に馬乗りになってなんだかぎゃあぎゃあ喚いてるけど、私はそれよりも開けっ放しにしてたドアの向こうに居る人に目が釘付けになってしまった。

「あ…あの、才崎先生が、みょうじさんが戻ってこないから、保健室にでも居るんじゃないかって僕のところに来たんだけど…」

水着の肩がめくれて、太ももの辺りには精液がべっとりとついてる女の子が、下半身丸出しでだいぶ憤ってるように思える男の子に馬乗りされてる。男の子はなんだか孕ませようと企てているのをほのめかすような発言をして、女のこの胸倉を掴む。ああ、これは大変だよ安田…犯罪のにおいがぷんぷんするよ…

「安田くん…ちょっと保健室行こうか?あ、みょうじさんはいいから。シャワーだけ浴びておいで」
「あ、あの…先生?お、おれ…」
「しゃべっていいだなんて言ってないよ?安田くん」
「…!!みょうじッ!!」
「今度あったときは安田、三角木馬乗せるからね」
「さ、行こうか安田くん。僕は養護教諭として、1人の男として君に話したいことがたくさんあるんだよ」
「あ、あの…ごめんなさ」
「謝る相手が違うでしょう?」

ハデス先生は今まで感じたことがないくらいすごい威圧感(笑顔なのに…!!)で安田の首根っこを引っつかんで保健室へと引きずっていってしまった。ああ、可哀相な安田。あんなに泣いちゃって…一生懸命みょうじみょうじー!!って私に助けを求めてる。可愛い可愛い。私は教室から飛び出してハデス先生を追っかけた。私の大事なアホ安田、調教するのは私の仕事ですから。

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