いいんですよ。
おなまえを動物園に連れてってあげるって事で日曜日だって言うのに俺はちゃんと世間が朝と呼ぶ時間に目を覚まして出かける準備をした。どんよりとした空がカーテン越しに見えると『面倒くさい』という気持ちが起きたけど、ケータイが震えておなまえからの朝の挨拶メールをみれば、そんなきもち吹き飛んでいい歳なのに1人でにやにやしながら片手に歯ブラシ、片手にケータイでおなまえに『あと5分で出る』送信。マンションの鍵をかけて駐車場までスキップして、なんかもう鼻歌まで歌いだしちゃいそうなうきうきで胸がいっぱいだ。

「あ、降ってきちゃったね」
「わー、マジかよ?雨の動物園って…」
「貢広さんって雨男?」
「俺の所為かよ?」
「だって私、大事な日には絶対に雨降らないもん」

助手席におさまった俺の小さな(っていうのはただの表現ではなく実際に若いし、体も小さい)彼女は、お行儀よくひざの上に手を乗せて大きくない胸の谷間にシートベルトをたたえている。フロントガラスを叩き始めた雨を恨めしそうに睨むおなまえをみていると、雨が俺の所為ではないけどため息で胸がつまりそうな罪悪感を感じた。雨、かぁ…動物園は行ったってたのしくねぇよな…雨の日に行って楽しい所…ボウリング?水族館?カラオケ?ショッピング?ううん、いろいろ思い浮かぶけどどれも行き倒した気がするな…だから今回動物園に行く事になったんだけど…

「どうする?これじゃ動物園無理じゃん?」
「うーん…残念だなあ…」
「どっか行きたいとこねぇの?」

信号待ち。体を屈めてハンドルにもたれかかる。落ち込んで顔が死んじゃってるおなまえの顔を覗いてみると、一度目をあわせてからぱたっと瞬きをして目線をそらされた。

「…貢広さんのおうち」
「は?」

ずるりとハンドルから滑り落ちて、雨降ってんのにウォッシャー液を発射。は?なに言ってんの?この子?俺の家?今から?午前10時21分に?

「うち?」
「だめ?」

だめなわけないじゃん。…でもさ、ちょっとそれって…そういうことなの?ねぇおなまえちゃん。俺、できるだけ我慢するけど…いや、襲ったりとかはまずないけど…けっこう大胆なんすね。あ、えろ本片付けてあったっけ…?部屋、散らかってはないけど…そういうのがぽーんって置いてあるかも…。ちょうど40分くらい前に出発した駐車場に戻ってきて、上着でおなまえに雨がかからないようエスコートして玄関までダッシュ。鍵を開けてえろ本を隠すためおなまえより先に部屋に入って華麗にえろ本をベッドの下に滑り込ませた。車の鍵と財布をテーブルに乗せてなんか飲み物でも作ろうとしたらおなまえがまだ玄関でぼうっとしてた。なにしてんのおなまえちゃん。玄関閉めなきゃ雨入るじゃん。

「入らねぇの?」
「ううん、おじゃまします」
「どーぞ」

脱いだ靴をちゃんと揃えて一歩、二歩。確かめるように部屋に入ってくるおなまえが初々しくて可愛い。大丈夫だって、本当。襲ったりとかしないし、なんか映画のDVDとか見てゆっくりしてから外で飯食ってすぐお家まで送るから。おなまえちゃんがあんまりにも可愛いから俺手ぇ出せないもん。溺愛。まじで、可愛くてしかたねぇ。紅茶でいいかなーって思いつつ、ティーカップなんてないから俺のでかいマグカップにたっぷり作ってもっていくとどこに座ればいいのか分からず突っ立ってるおなまえ。あ、どこでも好きなとこすわってください。ごとん、ごとん。ふたつのマグカップをテーブルにのせる。悩んだ末、ベッドをイス代わりにしたおなまえは可愛い色のカーディガンを脱いで、くるくるっとまとめてかばんの横にちょこんと置いた。一口紅茶を飲んでからふうっと一息。

「なんか映画でも見る?女の子が見ておもしろいのはねぇけど…」
「貢広さんとえっちがしたい」
「…げほっ」
「…」
「…え?なんて?」
「貢広さん。私とせっくすしてください」

いやいやだめだめだめ!!女の子が簡単にそんなこと言っちゃだめでしょう?!しかもおなまえちゃんはね?!まだまだ学生なんだからッ!!だめだってそんなの絶対ッ!!いい?俺がおなまえと付き合ってるのはお前が可愛いから、あーいやいや、顔とかじゃなくてね?本当に1人の女の子として可愛くて好きだから付き合ってるんであって、体の関係が目的とかじゃないんだからね?てかお前せっくすって何か知ってんの?!なぁ?!俺のちんこをあれするんだぞ?!あれ…!!あれなんだからね?!ちゃんと分かってて言ってんのかな?!俺心配だわッ!!

「貢広さんの事、好きだから…」
「そりゃ…!!俺もおなまえの事好きだよ」
「だったら…」

ベッドに座ったままこちゃこちゃした服を脱ぎ始めるおなまえ。なに考えてるかわかんないけど、まだ…そういうのはだめな気がする俺はおなまえの肩を掴んでそれをむりやりやめさせる。顔を上げたおなまえは目を大きくして潤ませて、その可愛いぷっくりとした唇を形が変わるまで噛んでいた。…おなまえには、きっとおなまえなりの何かしら確固たる決意の上での行動なんだろう…俺は肩を掴む手の力を緩めて、おなまえの鼻に自分の鼻をこすりつけるように、ゆっくりゆっくりキスをした。俺だって、したくないわけじゃないんだ。おなまえが望んでくれるんなら、俺が与えてやれるんなら。やってやろうじゃんか。

「はぁ…はぁ…」
「気持ちいいか?」
「ん…なんか、くすぐったい」

俺が恥ずかしいから、電気を切ってカーテンを閉めた。おなまえをベッドに寝かして出来るだけ体重をかけないように覆いかぶさる。柔らかい綿素材のブラ越しにふにふにと胸を揉んでるだけで、ちょっとびっくりするくらい俺は固くなって勃起した。あー、電気切っといてよかった…。これはまだちょっとおなまえちゃんには見せらんねぇ…。ちょっとずつ硬くなり始めたおなまえのちくびを意識するように揉んでいると少し息を荒げて、行儀よく体の横に寝かせていた両腕を居心地悪そうにわきわきと動かし始めた。かわいいなあ

「なんか…へん…頭がずくずくする」
「なにそれ、きもちいってこと?」
「わかんなッ…ぅあ」

胸をブラごとぐうっと持ち上げて、出来た隙間に鼻を滑り込ませてちゅうっと音をたててちくびを吸ってやると体をびくんと一度だけ揺らしてすげぇ可愛い声を出した。あーだめだめ!そんな可愛い反応されたら俺、あの、我慢とかできなくなっちゃ…うぅ…。で、でも…!!おなまえの初めてでしょ?!荒っぽくがっついたら、かわいそうじゃん?!ちゃんと、ゆっくり…ね?ふぅ…がんばるよ俺。大好きなおなまえちゃんのだめだからね…雨が降ってるとはいえ電気を消した部屋なんかよりは外の方が明るいから、重いカーテンが吸い込んだ外の明かりがベッドに横たわるおなまえの裸をぼんやりと照らした。…子ども扱い、してちゃだめだよな…こんな、ちゃんと…おとななんだから…

ブラもパンツも脱がせたおなまえの体の、少しだけ開かれた足の間に正座して大きくひとつ深呼吸。さっきまで俺がゆびでくちゅぷちゅ言わせてたおなまえは柔らかくて、あったかくて、たっぷり湿ってて…そりゃ狭いけどさ…。本当に…いいのかな…俺。…ゴムはちゃんとある。なんで持ってるのかと聞かれればコレは男としてのエチケットだからだ。少なくとも俺はそう考えてる。おなまえからでるとろっとした透明の液で指がぬるぬるする。胸を上下させながらはぁはぁ言ってるおなまえはちょっと辛そうで、眉を寄せて半開きの口からはぬらっと光るよだれがちょっとたれていた。うう…えろい…俺だって自分で引くくらい勃起してるし…なにこれ触ったら破裂するんじゃねぇの?頭おかしくなりそうなんだけど!ってくらいだ。でも、でも…でも!!女の子ってこういうのもっと本当に大事にしなくちゃ…!!動物園が延期になったからセックスってどうなの?!

「みつ、ひろ…さん?」
「…ねぇ、本当にいいの?」
「いや、なの?」
「やッ!!俺じゃなくてね?!おなまえちゃんが…」

ちゅうっておでこにキスされた。顔を上げるとおなまえちゃんがだるそうに体を持ち上げて恥ずかしそうにふにっと笑う。さんざん触ってたふたつの胸がだるそうにくっついてるその白い体は俺のことをもっともっと興奮させて、でもそれだけじゃなくて優しく包んでくれた。正座してる俺のひざの上に乗っかってぎゅうっと首に腕を回してしがみつくみたいに抱きついてくるおなまえの体はちょっとひんやりしていたけど、じっとしてると、内側の方からじんわりとあったかいのを感じた。

「好きだから、いいんです。みつひろさんが、いいんです」

そんなこといわれたら…俺そんだけででちゃいそうになっちゃったよ…。絶対大事にするからね。

「おなまえちゃんあったかい」

そういって俺もおなまえちゃんの腰をぎゅうっと抱きしめて、またゆっくりとおなまえちゃんを寝かせなおす。ベッドに横たわったおなまえちゃんの照れ笑いした顔を照らす明かりが優しくて、なんかなにもかもが柔らかくてあったかくて、ちょっと涙がでた…なさけねぇー!!いつのまにかカーテン越しの窓の外では降ってた雨がやんで、晴れてはないにしろ雲が泳ぐ空はゆっくりと明るくなろうとしていた。

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