10 コユキの見た世界
 レイールが知るセツが戻ってきてから、セツとボルヴィンの指揮により、状況は目まぐるしく変化した。否、とんとん拍子に話が進んでいった。という方が正しいのだろうが、どうも二人だけが知っていることがあるようで、周囲は置いてけぼりにされていた。
 まずレイールとの再会をひとしきり満喫したセツはボルヴィンに皮肉を含んだ礼を口にした。セツは終始おちょくるように話しており、一見二人は仲がよいのかと思われた。事実、クサカはやっぱり殺した方が良いと武器を構えたほどだ。
 しかし、セツの言葉の節々にはボルヴィンを拒絶、否定するものがふんだんに盛り込まれており、二人がそこまで仲がよい訳ではないということが何となく分かった。ぽつりとウリハリが、なんだかクサカとセツさんみたいですね。とこぼしたことに対して、クサカが目をひん剥いたのは言うまでもない。
 結局セツはココーが交わした約束通り、彼らに一切手を出さぬまま怨敵を見送った。が、ここで約一名吠えるものがいた。それはそれまで蚊帳の外でいたヴィヴォである。
 彼は自分の置かれている立場も忘れ、今すぐこいつらを殺せ。それが無理ならばセツだけでも殺せと声を荒げた。
「ヴィヴォ殿……。かの者の価値をお忘れですか? あれは唯一無二の存在。ここで失うにはあまりに勿体ない」
「また作ればいいじゃないか! とにかくあいつは僕を侮辱したんだ! このままおめおめと逃がしてなるものか!! 殺せ! 出来るだけ時間をかけて、苦しませて……!」
「あーらら、デジャヴってやつ? 大丈夫ー? これじゃまんま王様じゃん」
「父が……!?」
「あー、そういえば王子様はあの王様の息子だもんね。気になるー? あの王様、君らに逃げられてから狂っちゃってさあ。今じゃ毎日一人は黒髪の女を殺さないと気が済まない状況なんだよ。ははっ、王様がそんなんじゃ、あの国も長くないよねえ」
 おお怖と大げさに肩を抱いてミズシはにっこりとレイールに微笑みかける。話の内容と表情が大きくかけ離れており、レイールは父の変貌ぶりに恐怖すると共に、見かけは穏やかなこの青年に言いようのない恐怖を覚えた。
「ミズシ! そんなことはどうでも良いだろう! それよりも早くあいつを殺してこい! お前ならば一瞬で溶かすことが出来るだろう」
 確かに、彼の腐食性の毒を持ってすればセツはおろか、この場にいる全員の命を奪うことが出来る。何しろ、ミズシはセツの結界に囚われても、しれっとそれを溶かすことの出来る底知れない人物である。
 しかし、彼はそれをしようとしなかった。
「はー……、あんた約束覚えてないの? こっちも手を出さないって交わしたんだから無理に決まってるじゃん」
「うるさい! そんなちんけな約束が何だ!? 約束など建前でしかない! 僕の前ではそんなもの無意味だ! 僕が、この僕が全てなんだよ!! お前ら作り物は黙って僕に従えばいいんだ。でなければ死んでしまえ、この役立たず共が! 代わりなら山とあるんだからな!」
「……ハクマ、行きなさい」
 ため息混じりのボルヴィンに命じられ、ハクマは剣を抜いてゆっくりと近づく。
 そうだ、そうだ! 勝利を確信したヴィヴォの高笑いが室内に木霊する。感情の高ぶった彼の高笑いは不自然に甲高く、広い室内の反響も伴ってきいきいと耳についた。不快感に顔をしかめていたセツだが、抜き身のハクマの剣がぎらりと光のを捉えた瞬間、レイールをエウロペに向けて突き飛ばす。
 何をするのだと意義を申し立てようとするが、セツの肩越しに転がっている物を視界におさめた途端、彼はまだ状況を把握していないレイールが振り向いてしまわないよう抱き留める。胸焼けを催す鉄臭い匂いでいずれは気付かれるだろうが、それでも彼がヴィヴォの生首を見るのはあまり良いとは思えないからだ。
 切断されていることに気付いていないのか、頭部を失った胴体はしばらく椅子に座ったままの体勢で血を吹き出し、そしてゆっくりと前のめりに倒れた。
 床に落ちた衝撃でヴィヴォの仮面が外れる。美しかったその顔は、ドーヨーに打たれた薬の影響で今や醜く崩れており、美を謳っていた彼が仮面で顔を覆わねばならなかった理由が会間見えた。
「これは我々の要求を飲んでくれたせめてもの礼だ。……もっとも、こんな愚か者じゃあ、足しにならないとは思うけれど」
 持って行けとばかりにミズシが生首を投げて寄越す。
 鈍い音を立てて床に転がる哀れな生首は純粋な喜びか、狂喜か。それはそれは楽しそうに笑っていた。きっと彼は幸せな夢を見ているのだろう。セツが切り捨てられて、それを眺めて高笑いしている醒めない夢を。
「私は、君の仲間を信じている。この世で二番目にね。それだけは忘れないでくれ」
 そこで彼はそれまで頑なに外さなかった仮面を外し、再度恭しく礼をする。
 初めて露わになったボルヴィンの顔は、期待していたような印象に残るようなものではなく、特に特徴も無いその辺にいるようなごく普通の老人の顔であった。
 何だつまらんと拍子抜けする一行であったが、セツとココーは違うようで、二人とも額に皺を寄せて険しい表情でただの老人であるが、そうでない老人ーーボルヴィンを睨みつけていた。
 二人はボルヴィンたちが去っても尚、彼が立っていた場所を殺気立った目で見ていた。それはいつまでも続くかと思われたが、クロハエのそろそろ俺達も移動しないか? という声によって終わりを告げた。
 それもそうかと一点を睨むことを止めたセツは改めてシキの面々に向き直る。セツの顔には少し複雑そうな照れ笑いが浮かんでいた。表所のあるセツに会うのは一年も経っていないのだが、その場にいた全員がその顔と何十年も、否、何千年も会っていないような奇妙な感覚を覚えた。
「えーっと……。何というか、ご迷惑をおかけしました。本当は戻って来るつもりはなかったんだけ……」
「こンの……糞っ!!」
 改めて言うのが恥ずかしいのか。はたまた先ほどまで啖呵を切っていたばかりに言い出しにくいのか、もじもじと歯切れ悪く言葉を探すセツの頭頂部をクサカの鉄拳が襲う。
 何してんだと泡を食って止めにかかるクロハエの前で、セツは大きく仰け反りながら尻餅を着く。火花が散り、視界が揺さぶられる。おまけに聴覚まで支障をきたしたのか、体を支えて名を呼ぶレイールの声が妙に遠く聞こえる。一瞬、ほんの一瞬だが、このまま死ぬんじゃないだろうかと思った。しかし、
 ああ、懐かしいな。
 捨てたはずなのに、求めていた愛おしい日々の再来に、セツの心は熱くなる。
 遅れて熱を帯びた頭頂部は、がんがんと金槌で殴られているのではないかと疑うほど痛いし、周囲では何しているんだ、あいつが悪い、お前が悪い、空気読めよと朝方の鶏に負けず劣らずやかましい。おまけに体は遠慮なしに揺さぶり続けられている。全く、落ち着く暇がない。
 だが、それが心地よかった。
「……ただいま。みんな、ありがとう」
 感涙ではなく、痛みで滲んだ視界に仲間たちの姿をおさめ、セツは先ほどレイール達に述べたものと同じ言葉を口にする。途端、彼らは安堵したような、気が抜けたような何とも形容しがたい表情を浮かべ、そして各好きにセツの体を叩いたり、抱きついたりと今の気持ちを露わにする。
 ああ、帰ってきたんだ。再び現状を噛みしめていると、何故か遠巻きに見ていたココーと目が合う。その視線に気付いたクロハエが彼を呼び、さあ、喜び合えと妙な命令をする。
 固まるココーに、とりあえず抱きついてみようと提案し、ぐいぐいと距離を詰めさせる。やがて二人の距離が拳一つ分になったとき、セツがゆっくりと口を開く。出るは感謝の言葉か、はたまた再会の言葉か。
「どの面下げて近付くんだ。気安く近付くな」
 飛び出たのは、意に反して拒絶の言葉と、ボルヴィンに向けたものと大差ないほどの嫌悪の眼差しであった。

 ・

 セツが帰ってきた。
 表情がころころ変わり、よく笑い、良く怒る、子どもをそのまま大きくしたようなセツが。仲間思いのセツが!
 が、何故かセツはココーに冷たくなっていた。否、冷たいというのでは生ぬるい。まるで親の敵のように、彼女はココーを拒絶し、憤怒を露わにしていた。近付こうものなら剣を抜き、話しかけようものなら耳が腐ると取り付く島もない。セツがココーを冷たくあしらうのは今までも何度か会った。だが、今回のそれは今までとは明らかに違っていた。
 さすがにココーも心が折れたのか、日が暮れる頃にはセツに話しかけはおろか、近付こうともしなくなった。その態度は何だとクサカが突っかかるも、相乗効果でセツも熱くなってしまうため、収拾がつかなくなってしまう。
「ええと、そのなんだ。とりあえず落ち着こう。ね? ほら、温かい飲み物あるよ。そんなカッカしていたら休まるものも休まらないから。そして落ち着いたらセツの身に何が起こったのか教えてくれると嬉しいな。王子も気になるよね?」
「……はい。私もセツさんの事を知りたいです」
 懇願するような目で見つめられ、クサカとにらみ合っていたセツは仕方ないなあとため息混じりに申し出を了承する。
 セツは王子には滅法甘い。クロハエは心のノートにそう深く刻み込んだ。
「私に何が起こったのか。それを話そうとしたら、長くなるよ?」
「五文字で纏めろ」
「クサカはげ」
「クサカ、あんたセツが戻って嬉しいのは分かるけど、突っかかるのはちょっとやめな。話し終わってからじゃれなさいよ」
「へー。嬉しいのか、クサカ」
「は!? ふざけんな年増!」
「クサカ、それは駄目です……!」
「誰が年増だって? ……殺すぞ」
「レイール様。自分、少々頭が痛くなって参りました。何なんでしょう、このミイラ取りしかいない連中は」
 血みどろのキャットファイトを傍観しながら、エウロペは生気のない声で呟く。淡々と仕事をこなすことを得意としていたこの騎士にとって、シキ達の脱線だらけの会話は理解しがたいものであった。
 少々の乱闘を挟んだものの、クサカが静かになったことにより、話の流れはセツの元へと戻ってきた。
「ええと、つまりは何だ。今までの私を初めとした皆の記憶は仮初めだったんだ。私とヒワとで相談して自分たちに都合の悪い記憶を全部無い物にしちゃった。って言えば分かるかな」
「分からない」
「……お前に限っては一生理解しなくて構わんけどな」
 ココーが正直な感想を口にした直後、セツは感情のない表情で恐ろしく低い声で彼を突き放す。
 おそらく、彼女がそこまでココーを毛嫌いする理由に「無いもの」にした記憶が関連しているのだろうが、いかんせん無いものであるため全く見当が付かない。しかし、本当に人の記憶を無いものになど出来るのだろうか?
「手っ取り早くみんなに理解して貰うには、みんなに掛けた封印を解かなければいかないんだ。記憶の封印をさ。みんな時々記憶がすっぽ抜けていたり、つじつまの合わない事がなかった? もしくは、何か思い出したつもりなのに、一瞬で忘れていたりとか。それ、私とヒワのせいなんだ」
 自分たちの記憶が封じられている。
 それはにわかに信じがたいが、セツの言う記憶の異変には心当たりがあった。それにしても、セツは何故そのようなことをしたのだろう? そして共犯であるヒワもまた、何故そのようなことをしたのであろう。
 怪訝そうな表情の彼らを見、セツは苦笑する。本来ならば記憶の綻びなど気づきもしないのだが、ここにいるシキの連中は全員が思い当たる節があるようだ。それはヒワの封印の弱体化を示しており、同時に彼の力が尽きかけていることを示唆していた。
 ーー残された時間はそう無い、か。
 彼の行き先短い命を少し寂しく思いつつ、セツは今日何度使ったか分からない能力を発動する。封印を解きたくはないが、皆が望むのならば仕方がない。
「じゃあ、今からみんなに記憶を返すね。話すよりもそっちの方が手っ取り早い。少し……いや、かなりきついと思うけど良いの?」
 いらないと言ってはくれないだろうか? 密かにそう願ったが、その思いも虚しく、全員が全員頷く。ああ。やっぱりか。想定はしていたが、やはり目の当たりにすると気が滅入ると言うもの。短くため息を吐き、セツは目を瞑って意識を集中させる。
 セツの脳裏に鎖で雁字搦めになっている白い箱が浮かぶ。鎖も、箱もすっかり古びており、金槌で小突けば崩れてしまいそうなほどだ。やがてその箱の中から淡い光が漏れた。
 光は徐々に大きくなり、それに応じて箱は小刻みに揺れる。やがて光は箱を隠すほどに大きくなり、鎖からはキイキイと最後の抵抗のような切ない音が漏れる。
 ああ、随分古びてしまっているなぁ。思わず呟くと周囲からは訝しげな声が挙がる。おっと危ないと口を噤み、セツは脳裏にありありと浮かんだ箱と鎖に最後の別れを告げる。お疲れ様。もういいよ。と。
 同時に脳裏に浮かんでいた箱の内部が膨張し、鎖諸共弾けて飛ぶ。甲高い音を立てて箱が破壊された後に残ったのは、セツが眠っていた時に周囲を覆っていた物によく似た真珠色の結晶であった。しかし、よく見れば真珠色の結晶の中には紅、薄紫、橙、金、そして赤の五つの光が閉じこめられていた。脳裏のそれにそっと触れると、身体中が瞬時に火照る。そして次の瞬間、目を開けたセツの手には脳裏にあったものと同様の結晶が握られていた。
 手に握られた結晶の感触を確かめるようにして手首を返す。拳ほどの大きさにしては重いそれの中には、セツとヒワが封じた仲間達の記憶がある。本来ならばそれは戻ることなく消え去る筈だった。セツが全ての現況で、その本人が自己犠牲で全てを終わらせる。という筋書きで。
 だが、セツが失った記憶を取り戻し、そして戻った感情がヒワを見捨てられなかった時点でその計画は露と消えた。セツ達は勝負に負けたのだ。もはや取り繕う間も無く、取り繕ったところで見破られるのが関の山。諦めが付いたセツはため息一つ漏らすと、手に握っていた結晶を砕いた。
 キイイイン。
 耳をふさぎたくなるような不協和音と共に、セツの周囲が。否、砕かれた結晶の周囲が真昼のように明るくなる。直後、真珠色の結晶の中に閉じこめられていた五色の光が踊るように舞い、そして囲んでいたシキの面々に降り注ぐ。
 ケミには紅。ウリハリには薄紫。クロハエは橙。クサカは金色でココーは赤。それぞれの結晶の色に応じて光は対象にそそぎ込まれ、当の本人達は暫し呆けたように注がれる光を見つめていた。やがて光は消えたが、言葉を発する者は誰一人として居らず、皆が皆呆けて虚空を見つめている。無理もない。彼らは皆、三千年前に奪われ、そして急に帰ってきた膨大な記憶の波に溺れかけているのだから。
「ええと、セツさん。みなさんどうされてしまったのですか?」
「うん? ああ、みんな今都合良く改善した記憶の修正に追われているんだよ。人ってのは只でさえ都合良く記憶を改善しがちな生き物だから。それを間違えていると認めるには、今までの自分を否定しなきゃならないから、おいそれと飲み込む訳にはいかないんだ。ましてや三千年も前の記憶。そりゃあ脳味噌も混乱するよ」
 最悪廃人になるかもね。
 笑いながらさらっと恐ろしいことを口にする。冗談なのか本気なのかレイールが聞こうか迷っている間に、セツは火の粉が届かない場所に昼間に集めておいたシュロの葉を敷き詰める。
 大型の木であるシュロの扇状の葉は大きく、肉厚であるため些細な衝撃ならいとも簡単に緩和する。比較的どこにでも生える植物であるため、荷物の梱包材やセツ達のような野営を頻繁に行う者にとっては無くてはならない存在となっている。
 意識が混濁しているシキ達を並べていくと、ほとんどの者は睡魔に襲われている赤子のように素直にこてんと横になり、次の瞬間には寝息を立て始めた。あの戦闘狂のケミですら大人しく従うのだから、彼らは想像以上に疲弊しているようだ。また、そんな状態ですらセツに肘鉄を食らわせたクサカにはさすがと言わざるを得なかった。
 黙々と仲間達を陳列するが如く横並びにしていたセツだが、残りココー一人といったところで急に手が止まる。が、絞り出すようにして溜息を一つ吐くと他の者に比べると少々乱暴であるが彼もちゃんと並べてやった。
「あの人だけ葉から飛び出ているが、構わないのか?」
「良いよ。別に死にゃあしない」
「しかし、あれでは起きたときに腰を痛めるだろう」
 明らかに葉からはみ出ている状態にエウロペが苦言を申し立てるも、セツは頑として取り付こうとしない。仕方なしに彼がココーの体勢を整えてやると、セツはどこかほっとしたような表情でありがとうと小さく礼を言った。
 どうやらセツとココーには好きや嫌いでは片づけられない因縁があるようだ。
「レイール、明日に備えてもう寝ておいた方が良い……なんて、聞いちゃくれないだろうね」
 キラキラとした眼差しを送るレイールに思わず苦笑が漏れる。
 見れば見るほど彼はミーシャにそっくりだった。取り戻した鮮明な記憶の彼女はそれまでの曖昧な記憶とは比にならないほど優しく、愛らしく、日溜まりのように誰にも分け隔て無く接する娘だった。もっとも、それが仇となり、シキに狙われる羽目になったわけだが。
「じゃあ、皆が起きるまで昔話でもしようか。世間知らずで向こう見ずな女が、世界を滅ぼす片棒を担いだどうしようもない話でも」
 火にかけておいた鍋からは、空腹感を刺激する鶏ガラのいい匂いがする。琥珀色の出汁の中に浮かぶ金色の油が、空気中に漂う火の粉を反射して夕陽のように輝いた。
 目の前の出汁にしろ、レイールとミーシャの目の色にしろ、そして全ての始まりの日にしろ。セツは妙に夕陽と縁があった。

 三千年と後少し前の昼下がり。山の上にかすかに覗く空が、青から薄ら赤に変わる頃。一人の少女が犬を連れて山の中を歩いていた。
 短い黒髪に、髪と同じ黒い目をした少女の名はコユキ。歳は花も恥じらう十七であった。最近不穏な空気があるという周囲の制止を諸ともせず、山にビワを取りに来た彼女は、後に世界を震撼させる出来事を引き起こした世間知らずで向こう見ずな女その人であった。


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