欲情心を燻る、一層高く艶やかな声がグレイの口から漏れた。ぱたりとぐしゃぐしゃになったシーツに飛沫する白濁。四つん這いの体制を軸のぶれる腕で支えていたグレイはついに上半身をベッドへと沈めた。
忙しない呼吸に合わせて上下するグレイの肩。そこには僕が残した所有印が綺麗に咲いていて、満足とばかりに乾いた唇を舐めた。

もう数え切れないくらい絶頂を味わったグレイの体は疲れ果て限界だろうに、彼の、今僕を飲み込むそこは行為が長引くたびに締まりが良くなるもんだからやめられない。
こう言ってしまうと、グレイのことを体目当てにしか考えていないように思えるがそれはとんだ間違いだ。
僕は彼を愛している。


「グレイ、」

「っぁ、ぁア!」


きつくシーツを握り締めるグレイの手を、指を絡め握る。そのまま彼の上に覆いかぶさると綺麗な光沢を持った黒髪から覗く耳に頬にたくさん口づけた。
何度も放った精液が、容量を超えて接続部から溢れる。それが彼の白い腿を伝うもんだから、欠片ほどにも満たなかった理性は完全に消えてしまった。


「ぁあッ!あ…っ!」

「グレイ、」


繋がったままぐるりとグレイの体を回転させてこちらを向かせる。蕩けたグレイの目と視線が絡むと同時に彼の唇へ噛み付いた。
グレイの髪へ指を絡め、その唇を貪る。さすればグレイも同じ様に僕の蟀谷へ手を添えると自ら口づけを深くしてきた。
嗚呼、もう。

長いキスを一度区切れば力無く垂れ下がるグレイの手。それを掴んで指を絡め握り締める。そのまま強く挿入した。


「ひ、ぁあっ」

「まだ、飛んだら駄目だよ」


グレイの弱いところを何度も抉る。グレイのそれからは色を失った液体が絶え間なく零れる。ずっと絶頂したままなのだろう。度が過ぎる快楽にグレイの瞳から涙が零れた。
それを舐め取り、己の限界が見えて来たところで行為に拍車をかける。


「あっ!ぅあ、あ…」

「っ、」


ちいさく喘いで、きつく締まった中に吐精する。は、は、と短く息を切らしながらグレイを見れば重なる視線。
堪らない愛しさにグレイの白く柔らかな頬に頬擦りをした。
くすぐったいと笑うグレイの顔中にキスの雨を降らせ、最後に唇へ口付けると、お返しとグレイからもキスをくれた。


「ロキ」

「ん?」

「すき」

「僕も」




012.07.25





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