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綺麗やなあ、なまえ、
アントーニョは幸せそうに目を細めた。よう似合うとんで、と褒めてくれた彼にありがとうと返す鏡に映った私の顔は純白のドレスが照らしてもちっとも幸せそうじゃなかった。
どうしたん、なんや元気ないなあ。ははあ分かったで、さてはマリッジブルーいうやつやな。
茶化すように軽口を叩くアントーニョは私の緊張を解そうとしてくれているのだと分かってはいたけれど心臓がぎゅうと締め付けられて涙が出そうになった。(こんな顔をしているのは緊張してるからなんかじゃ、ないのに)
泣き出しそうになった私に気づいたアントーニョは慌てて、わわどしたんや、大丈夫やで!あいつなら必ずお前を大切にしてくれる!俺が保証する!なんてとんちんかんな慰めを寄越す。
あいつはなあ、ほんまいい奴やで。優しいわ頼れるわなんといってもお前にベタ惚れや、な!
せやからなあなまえ、必ず幸せになるんやで。お前ら二人なら大丈夫や。
太陽のように眩しい彼の笑顔はひどく残酷だと思った。






サンベリーナとモグラの挙式
(きっともう、太陽を見ることはできないの)
20100811
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