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数日前にできた赤黒い痣はまだ消えなくて、それどころか変色してない肌の面積のほうが狭くなっているように思う。無感情につるつると皮膚をなでていると隣のホムラ様が上半身だけ起き上がってわたしの指の先を見て目を細めた。

「また痣増えちまったなあ」
「そうですね」

他人事のように返すとホムラ様は訝しむように片眉根を上げた。

「お前殴られるのすきなのかよ」
「痛いのは嫌いです。でもホムラ様に殴られるのは嫌いじゃありません」
「お前狂ってんなあ」
「お互い様です」
「ウヒョヒョ」

ホムラ様は機嫌よさそうに听った(犬歯が剥き出しになってぞくりと震えた)。なあもう一回しようぜ、応える前に引き倒されて薄汚れた天井をバックに薄く笑ったホムラ様の顔が見えた。軋むスプリングの音を聞きながら、また痣が増える悦びに陶酔した。






20100508
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