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手を当てた頬は熱を帯びて、脳味噌はぐわんぐわんと揺れている。骨盤に痛みを感じると同時にああまた殴られたんだなあとぼんやり思った。ホムラ様は相変わらず塵でも見るような目でわたしを見下ろしていて、吊り上がった唇の端にぞくりと背中を快感が駆け昇った。痛いか、ホムラ様が尋ねた。わたしは自分の感情を言葉にすることができなくて、なにも答えなかった。痛くねえのか、わたしは答えない。上司の質問をシカトたあいい度胸じゃねえか、鈍い音とともに頬に痛みを感じて口の中に血の味が広がった。ぞくり。ああまた快感が背中を這う。惚けた表情しやがって変態が、乱暴な手が髪束を掴んでホムラ様の顔が近づく。(綺麗、だなあ) そんなによけりゃ、俺がこの手で殺してやろうか?、低く囁かれた言葉に焦点の定まらない瞳を向ければ薄い唇が牙を剥き出して嗤っていた。わたしはぼんやりする頭でゆるゆると頷いた。夜はまだ明けない。






20100329
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