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ふんふふんふーん♪
へたっぴな鼻歌。ひどい音程だなあ、と思うけれどわたしは動けない。なぜならわたしの自慢の長い髪の毛はわたしの背後に座る閻魔様の手中にあって、彼はひどく機嫌よさ気にそれをいじくっているからだ。

「あの」
「ん、なあになまえちゃん」
「…楽しいですか?」
「とっても!やっぱりセーラー服にはみつあみだと思うんだよね俺は」
「はあ」

正直わたしにはこの変態大王の嗜好なんてどうでもよく、適当に相槌を打った。
しかしまあなんて生き生きしているのだろう。仕事中とは大違いだ。一心不乱にみつあみを編む閻魔様にうっかりかわいいなどと道を踏み外したことを考えそうになってあわてて打ち消した。こいつはただのセーラー服好きの変態なおっさんだ。現世なら間違いなくイメクラに通っている。いや、イメクラで働いている。着るほう。

「ふんふーん♪ ほいっ、できた!」
「閻魔様意外と器用なんですね」
「まあね!閻魔大王だからね!さあどのセーラーがお好み?!」
「…まさかわたし着るんですか」
「俺的にはねえ、やっぱスタンダードにこれかな!紺の白ライン。ああでも赤もいいなあ…」
「………(聞いてない)」



まあ愉しそうだからいいか、なあんておもってしまうわたしなのである。




セーラー服とみつあみと
20100223
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