主夫×サラリーマン
「おかえり」
「ただいま。あー久しぶりの我が家だ…」
へろへろと玄関に上がる彼に付き添い、上着と鞄を受け取る。洗っていないのか上着が少し重い気がした。
「お風呂入る?」
「いや、後でいいや。腹へった」
時差ぼけなのかあくびばかりしていて不安になる。簡単に煮物と味噌汁、消化にいいようお粥をつくってあげる。
「あー…胃にしみわたる」
幸せそうに全部食べてくれるから嬉しい。その顔を見ているとこっちも幸せになる。主夫で良かった瞬間だ。
そう、俺は彼の嫁、もとい主夫だ。家事とスーパーのパートをしている。一方彼は商社マンでバリバリ世界中飛び回っている。多忙でなかなか帰ってこないが、俺が前職で心を病んだときに「専業主夫になればいい」と言ってくれた甲斐性のある旦那だ。
食べ終わった彼が俺の手を掴んで揉む。
「風呂いこう」
「一緒に?」
「うん」
「痒いとこはないですかー」
「んー…」
あんな風に言うから少しあらぬことを期待したが、ただ単に頭を洗ってほしかったらしい。紛らわしいことこの上ない。湯船につかってだらんと頭をこっちに向けてくる。それを俺が洗う。…あんまりシャンプー泡立たないけど、どれだけ洗ってないんだ…。
「動くと切れるよ…おーい…」
「…」
起きてるのかな、この人。その間に髭も剃っておく。あ、目が開いた。
「…」
「終わったよ。早く寝よう。」
「あー…ん…」
寝ぼけまなこの彼を軽く叩いて起こす。引きずるように足を動かして彼は風呂場から上がっていった。それを見届けてから自分も洗う。
「あれ、まだ起きてたの」
ドライヤーをかけて歯をみがいて今日のストレッチをしてから寝室に入った。それだけ時間が経ったのに彼はベッドの上で読むともなく雑誌を読んでいた。
「一緒に寝ようと思ったんだよ…」
「あ、そうだった?ごめん」
眠さで少し機嫌が悪そうに彼は寝返りをうつ。正直寝ててほしくて時間かけてたんだけどなあ。それでもそう言われては俺もベッドに乗らざるを得ない。
「…遠くないか?」
「普通じゃない?」
ベッドの端のほうで横になったら、恨めしそうな視線が刺さる。足に彼の足が触れた。
「こっち…来いよ」
そちらを向くと視線が絡んだ。久しぶりに会えてで嬉しいのは分かる。こっちも嬉しいけれど、それと同じくくるものがある。疲れた相手に無理させる訳にはいかない。この葛藤をどうか悟ってほしい。
「ん…」
「ん?」
そんな葛藤の最中、彼が俺の手を引き寄せた。触れた先はガッチガチのナニかだ。
「腹張って、寝られない。」
なるほど。そういうことなら応えなければならない。旦那の仕事である。
そう、俺は夜は旦那なのだ。
「久しぶりだから頑張っちゃおうかな」
「お、お手柔らかに、っあ、」
パンツごしに形をなぞるように触る。それだけに声を出したのに気を良くして布団の中に潜っていく。彼は仰向けのままされるがままだ。
「っ、あ…」
パンツごしに吸い付く。ガッチガチビンビンのそこは、パンツごしだというに余裕でフェラさせる。俺が浮気防止に選んだハート柄パンツ。汚れが目立たないように黒にしたけれど、こういう時は白のほうが涎まみれなのが分かりやすくていいなあ。
「…あっ…あっ」
布団の上から俺の頭を押さえる彼。横からハーモニカを吹くように裏筋を上下する。このままイったら面白いな。
「…っんあ゛…あ゛」
彼の太ももがぴくりとひきつった。顔が見えないけれど、布団の中は変態くのようで興奮する。パンツをずらして、ちんぽを取り出す。ねとねとと涎が糸を引く。
「あ゛っ、っ!ん゛…んぅ…ん、くっ」
吸い付きながら、頭を上下動させる。先で舌を左右に激しく動かすと、腰がびくんと跳ねた。
暫くしゃぶっていたが、意地悪いことを思い付いた。先だけくわえたまま止まってみた。
「…ん、…動けよ…っん、なあ…」
焦れたような甘えた声が聞こえる。顔が見たいが、我慢。彼の腰は焦れたように左右にぴくぴくと揺らぐ。
「…っあ!もう…あっ、あっ馬鹿っ!」
限界なのか、腰が上下に激しく動き出した。こっちは肘をベッドについて、顔を少し高めに固定する。騎上位を下から突くように、彼は俺の口を突く。ベッドのスプリングがぎっぎっと音を立てる。
「あっあっあっ、ヤバイ、いきそうっ!っ!」
「まだだめ。」
ちんぽを口から離す。そのまま金たまを吸って離してを繰り返す。ちんぽは手でしごいて彼がいきそうと告げる度止める。
2、3回それを繰り返して、布団から出ると、真っ赤な顔をした彼が見える。蕩けきった顔をして、こっちを睨んでくる。
「な、なんなんだよっ、あっあっあっいっあ!」
「はいだめー。どうせだから溜め込んだ特濃ザーメン、寸止め繰り返して派手にぶっとばせたいと思って。」
また亀頭に吸い付くと、彼は真っ赤な顔を手で隠しながら首を振った。肯定とも否定とも取れなかったから肯定とする。
「も、もう、っあ!ンあーっ!」
先っぽに吸い付きながら、寸でで止める。手こきしつつ、舌はその下のところをつつく。
「んっく!あっ」
「ここ、一人でいじったりする?」
「するか馬鹿!ん!!」
「ここ弄ると声でかくなるから?」
「う、るさ…あっあっあっ!」
彼は何度やっても自分でそこを弄ることに抵抗を覚えるらしい。だからここを知るのは俺の舌と、指と。穴と連動してひくつく彼のちんぽ。
「あー…ヤバイ、あー…」
カリの裏側を擽る。手のひらで包む。彼はくすぐったいような、震えるような反応をした。濃い体液が手のひらに着く。
「あ…んぁあ゛っあ!」
同時に指を中に突っ込む。二点責めは腕が疲れてしょうがない、一気にいかす。中で腫れたところを指でごりごりと刺激する。
「あっあっあっ、もっ、もっと、それ、もっと…!」
「これ?」
指を止めて、ゆっくりと押す。
「…んんんっ!んっ、それ…ずっと、そこ疼いて…あん!」
負担をかけないように、指だけで出させてあげようかと考えたけれど、こっちもずっとご無沙汰だったのだ。
「…ん、あっ、口でするか…?」
俺が寝間着を下ろしたから、彼がそう言う。
「いい…、もう入れたい」
「…ギンッギンじゃん…」
口でするまでもなくギンッギンに立ち上がっているのだから、彼の申し出は断った。ごくりと唾を飲む音が聞こえる。
「…っあ、あ、あ、んっ…ん゛」
「っ、入った」
久しぶりの彼の中は、本当に弄ってなかったらしく、前に会ったときよりキツいように思った。
「っあん…」
彼の体を横向きにして、俺は片足を膝立ちにする。斜め横からゆっくりとさっきの位置にせりだしたカリを当てるように動く。
「っあー…あーん…」
彼の手がシーツをまさぐって、かき回す。鼻にかかった声をあげる。びく、びくと反応しながらこっちを見てくる。
「…あ、あん、もっと、」
「…うーん」
動きたいのはやまやまなんだけれど、今目一杯やると彼イきそうだよなあ…そうしたらそのまま寝そうだよなあ…そうしたら俺はそのまま寂しいことになりそうだなあ…。
「んっ、ふ、」
「っ」
焦れた彼は、膝を立てて体を起こした。自分で腰をすりつけて、揺さぶる。もう分かりましたよ、はい。言う通りにします。
「っあ!あ゛あっあっあっ!あっすご、んっ!」
「はぁ、あっ、ん」
横から彼の足を担いで、打ち付ける。彼のちんぽを触ると我慢汁なのか精液なのか分からないほどぬるついていて、手のひらだけでなく手の甲にまで垂れてくる。
「あ゛ー、も、っあ、あ、あ…」
彼の声が低くて切ない音になってきた。いきそう。あー飲みたいな、うん、飲みたい。
「っあん!あっあっあっあっ!あーいくっいくっ!」
名残惜しかったけれど自分のを抜いて、彼のをしゃぶる。彼は背中を反らして、俺の頭を押さえた。
「っんぐ!げほっ、げほっ、げほっ」
「あ、あ、わり、あっあっあっあっまだ出るっ」
飲もうと思ったが想像以上の勢いがあってむせた。かつ、未だにびゅびゅっと喉をうつ。濃い舌触りがぬるつく。
「…ふーふー…は、あ…」
「見て、黄色い塊。」
べ、と舌を開いて見せる。黄ばんで塊状になったそれを見せつける。噛んで涎と混ぜる。
「ん、ん…変態…あふ、」
キスして彼の舌にさっきのを擦りつける。勿体無いから啜って全部俺が飲む。
「…あんっ」
「まだ残ってた」
掃除フェラをしてやると、尿道に残った精液が勢いよく出てきた。それは口移しで彼に飲ませる。
「ん、っ、気持ちよかった…」
「よかった、じゃあ続き、を…」
「すー…」
じゃあ続きをしようと言う前に彼は寝ていた。予想してたけど。さっき飲んだのを思い出しながら、トイレに向かった。
「あー、おはよ…」
「おはよ。」
朝御飯を作っていると、彼が起きてきた。彼は起きてこないと思ったから、質素な朝食なのだけれど。
「何か食べる?」
「いらない。コーヒーちょうだい」
「了解。」
俺は簡単な朝食をとり、彼はテーブルを挟んだ向こうでコーヒーを飲みながらニュースを見ている。
「それ食べ終わったらセックスしよう」
「んげふ!」
朝食が喉につまる。爽やかな朝から爆弾発言をもらった。どうしたのだろうか。
「な、なんで」
「いや、昨日俺ばっかりで、満足してないだろ?今日は一日休みだし、一日やりまくろうかと思って。」
ほんと、うちの旦那(昼)は頼りがいがありすぎて困る。
おわり
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