ロストガール | ナノ



源田が言うにはこうだ。



「俺…最近気になる奴ができたみたいなんだよ。…好き!?いやそうじゃないとは思う!…多分。…なんでかって?ええと、だって、あの、………その……そいつがな、…その、…………男…なんだ。…いやいやいやいやいや!好きとかじゃなくて!ちょっと気になるってだけであって!そんなんじゃないからなっ!……友達として?ああ、そうは思ったんだけどちょっと違うっぽいんだよな。そんな楽しいもんじゃなくて、もっと、悲しくなったり、切なくなったりするっていうか。……えっ?どんな風に気になるのかって?うーん…こう、一緒にいて楽しい、とか。……え?他に?そうだな…気がついたらあいつを見てる、みたいな。……はっ?しんせい?なんだそれ?……男として好き!?いやいや違う!ぜったい違う!……まあ…うん……。そうなんだ、けど、な。……ああああやっぱり俺ってそうなのか…!?そんなの今までなかったのに…!…相手?べっ…別に佐久間には関係ないだろ!…ええぇ……い、言わなきゃ駄目か?……はあ?違う!鬼道ではない!……あーわかった!言うよ!……ええっと…その……………よ…。…ああああもうわかったよ言えばいいんだろ!桃原だよ桃原!悪いか!………………………やっぱり悪いよな」



正直ちょっとだけど引いた。まさかあの源田がホモだなんて思いもしなかった。しかもその相手が桃原だなんて。源田も桃原とは仲が良いが、どっちかっていうと俺の方がずっと仲が良い。なのに源田が桃原に、惚れるだなんて。源田は女子に結構人気がある。あいつらが源田がホモだなんて知ったらどんな反応をするだろうか。



「佐久間、俺どうすればいいんだろ」

「うん、とりあえず俺には近づくなよ」






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