ロストガール | ナノ



それは私の旧友からの、ある一本の電話から始まった。彼は小学生の時からの知り合いで、親同士仲が良いので今でも良く話している。ちなみにもちろん、彼は私が女だと知ってる。だから久しぶりに女の子として扱われたから少しドキッとした。



「もしもし?ああ、なんだあんたか。…あはは、ごめんごめん。で?どうしたんだ?こんな久しぶりに。…遊ぶ?ああちょっと無理かな。部活忙しいんだ。…あー日曜か。午後からなら大丈夫だとは思うけど。でもなぁ……うん、ずっと会ってないし、いいよ。久しぶりに遊ぼう。今週日曜の何時にする?…ん、じゃあ2時ぐらいからでいい?…うんうん。あ、そうなんだ。いっつも頑張ってるよな。……え?しゃべり方が男っぽくなった?き、気のせいだよ。前と変わらないし。それよりさ、待ち合わせ場所どこにする?……うーん、駅はちょっとな(知り合いに会うと困るし)。じゃああの公園とかどうだ?前に良く遊んだところ。…うん。オッケー。そこね。……あ、友達連れてくんの?別にいいよ。なんて子?……うん、風丸くんか。わかった、了解。…はい、はいじゃあ日曜日に。…うん。ばいばーい、円堂」



こうして私は日曜日に、旧友である円堂守とその友達に会う予定になったのである。もちろん、女の子として。





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