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※染岡姉設定






部室に行くと、部室前で染岡と円堂が知らない女が話していた。年は俺たちと同じか、少し年上のように見える。円堂たちの知り合いだろうか。
すると円堂が俺の存在に気づいて手を振ってきた。



「鬼道!ちょっと来いよ!」

「なんだ」



言われて近づくと、女がこんにちはと挨拶してきた。どうもあちらは俺の事を知っているようだ。



「誰だ?」

「俺の姉貴だ」

「染岡の?」



言われてからそういえば似てるな、と思った。髪の毛の色も目の色も、染岡と全く変わらない。顔立ちも雰囲気も染岡と似ている。ただ少し幼さが残っているいて、染岡の妹と言っても通用しそうだ。



「染岡未来です。よろしく」

「あ、鬼道有人です。よろしく」



俺が染岡姉が差し出してきた手を握ると、彼女は嬉しそうに笑った。染岡姉は染岡と違って幾分か素直なようだ。姉弟なのに全く違う性格か。俺も春奈と性格は違うが、ここまで正反対ではない。たぶん髪の色とか、見た目が違っていたら本当に姉か?と疑っていただろう。
話を聞くと、これから染岡姉がマネージャーの一員にしばらく加わるらしい。後から半田に聞いた話だが、あんまり染岡姉と親密になると染岡がうるさいらしい。昔ふたりで一緒に出掛けたら姉貴に手を出すんじゃねぇ!と見事に私はシスコンですとでも言うようなことを言ってきたんだと半田は(苦笑いで)体験談を語ってくれた。その染岡姉がしばらくマネージャーに加わるのだから、いろいろと騒がしくなりそうだ。いや、騒がしいのは元から、だな。



シャルマンシスター


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