小説 | ナノ
日曜日、学校もなくて特に用事もない。だから今日は家でゆっくり寝ていようと思ったのだ。なのにまだ眠い朝、布団をひっぺがされて大声でどやされた。
「条介!起きろ!」
この声の主は桃原未来、いっこ下の俺の幼なじみだ。黒髪黒目、日焼けした肌など健康的で明るい女の子で、飾らない性格をしている。俺の家の隣に住んでいて親の仲が良いこともあって、家の中を良く出入りしている。そして今日、日曜日だっていうのに未来が俺を起こしにやってきたのだ。
「なんだよ…今日日曜だろ…」
「おばさんが朝ごはんできてるよって!もう、早く起きて」
未来が急かすように俺の体を揺さぶった。ああもう、眠いのに。俺は未来の腕を掴むとぐいっと思いきり引っ張った。
「うわっ!」
未来が悲鳴をあげながら俺の胸に倒れこんできた。そのままぎゅっと抱き締めてやると照れたように抵抗をした。
「な、なにしてんの!放してよっ」
「まだねみぃんだよ。一緒に寝ようぜ」
「…こんなとこおばさんかお母さんに見られたら瞬殺だよ」
そんなことどうでもいい。未来の髪に顔を埋めるとシャンプーのいい匂いがした。さらにぎゅっと力をこめて抱きしめると諦めたように未来の体から力が抜けたのが感じられた。起きるのは後で、今はまあ、もう少しこの状態で、幸せを感じていよう。
僕の体は70%以上君で出来ている