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さっむい真冬、私と河内は両手に大きなビニール袋を持って私達は歩いていた。真冬ということで気温も一桁、さらに風が強いという追い討ち。そんな極寒のなか、松代さんは私達に「バカップルはバカップルらしく一緒に買い物に行ってこい」なんて言ってつかわされているのだ。バカップルってなんだ。付き合ってもいないのにバカップルってそれはない。確かに河内はバカだ。バカの上にバカを上塗りしたぐらいの超級バカだ。だけど私はバカじゃないし、河内も一応ちゃんとしたパン職人でそこまでバカじゃないし…っておい!なんだこれまるで私が河内を庇ってるみたいじゃないか!



「なんやねんこの寒さ!凍え死ぬわ!」

「私だって寒いわバカヤロー!ああもう河内ちょっと片方持ってよ。女の子に3つも持たせんな!」

「知るか!女だろうが平等に持つべきや。それは差別や!」

「差別じゃない!男女の違い!」



なんてぎゃあぎゃあと口喧嘩しながら歩いていると、「河内ー!桃原ー!」名前を呼ばれて前を向くと、冠と和馬くんがいて和馬くんが私達に向かって手を振っていた。私はもちろん手を振り返した。


「和馬くん!」
「東!」


すると河内も私と同じタイミングで同じように和馬くんに手を振った。思わず睨み合っていると和馬くんがニコニコ笑って言った。



「お前ら本当に仲良いな!」

「「仲良くない!」」



またかぶった。「真似するな!」「真似すんなや!」ああもうなんなんだ!



「本当に仲良いですね。もういっそのこと結婚しちゃったらどうですか?」

「「誰がするか!」」



どうやら河内とは腐れ縁らしい。ちなみに後日私達は冠、和馬くん、月乃までに「バカップル」と呼ばれるようになった。バカは余計だと思う。カップルはまあ、う、嬉しいけどね!でもそれを言うなら私達が付き合ってからにしてよね松代さん!



ラブバードにはそれなりのプロムナードを



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