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「コラボレーションしてみない和馬くん?」

「はぁ?」



初対面、しかも全く知らない人にこんなことを言われたら確かにそんなリアクションするだろう。だけど私は和馬くんの事を全て調べてあるのだ。出身地から年齢、パンタジア新人戦に優勝したことまで事細かくだ。何故こんなことをしたのかと言うと、私はこのパン職人の少年の資質を見たからだ。見た瞬間に、彼なら私の目指していた理想のパンを作れると思った。だから今日は勧誘しに来たのだ。私と一緒にパンを作らないかと。



「言い方が悪かったね。言い直すよ和馬くん。私と一緒にパンを作らない?」

「ぱ、パンを?」

「そう!君なら私の理想であり夢のパンを作ってくれると思ったの。だから私とパンを作ってよ!」

「は、はぁ……」



和馬くんは困ったように頭をかいた。彼は太陽の手を持つ生まれながらの天才だ。彼なら私の夢を叶えてくれるはず。私の期待の眼差しに和馬くんはとりあえずじゃな、と言った。



「名前から教えてくれよ」



連れていってよ異空間



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