小説 | ナノ
今日は日曜日。普通に仕事や学校に行ってる人たちにとってはお休みの日だけれど、私みたいに牧場を持っている人は動物や作物の世話で日曜日にだって働かないといけない。動物たちを放牧して作物に水をやって、今日はお店がお休みだから牛乳を輸出しに行こうかな、と思って村の方に出向いた。牛乳何本か袋にいれ、手にもって歩いていると、ある人が目についた。その人は私が良く知る人物で、でも今ここにいるはずのない人で。何度も見間違いかと思ったがどう見てもその人だ。私は思わず名前を叫んだ「ヴァ、ヴァルツ!?」。その人、ヴァルツは私の声に振り向くと「ああ」と言った。「ああ」ってお前、あたかもここにいるのが当たり前のようにしやがって……
「なっ何でいるの?」
「居て悪いか」
「いや悪いとかじゃなくて…」
「ちょっと仕事関係の用事があってな。それで来た」
「あ、そうなんだ」
そこまで話してから手に牛乳を持っていることを思い出した。私はふと思い付いて、牛乳の瓶を袋から一本、取り出した。
「ヴァルツヴァルツ」
「なんだ」
「良かったらいる?」
手に持っている牛乳を一本、ヴァルツに見せると彼は少し驚いた顔をした後、「お前の牛のか」と聞いてきた。私は頷いて、「味は保証するよ」と言った。私の現在私が育てている牛たちから搾り出される牛乳はは全てS級物だ。「未来さんの牛乳や卵はすごく評判が良いわあ」と言われたぐらいだ。
「……もらおうか」
「はいっ、たぶん高く売れると思うよ」
私が笑顔で牛乳を渡すと、ヴァルツは「いや、」と否定的な言葉を言った。なに?まさか飲むとか?いやあり得ないだろ。だってヴァルツはお金が好きで、私が過去にあげたものだってお金に買えたりしてたし。飲むなんてあり得ないだろ。なんて思ってたらヴァルツが、
「飲む」
「…は」
嘘だろ。私は耳を疑った。だってあのヴァルツが!仕事大好きお金大好きなヴァルツが(かなり失礼だ)貰い物の牛乳を飲む?マジでかァァァ
「えー!?なっななな何で?」
私が慌てて聞くとヴァルツはいつも無一文に結ばれている口元を少しつり上げた。笑った、のだ。薄く笑みを浮かべたヴァルツに私が唖然としていると、ヴァルツはまたまたあり得ないことを口にした。
「俺はお前好きだからな」
確かに愛を感じた日曜日
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ヴァルツシリーズ終わり。彼は実は初めて書いたりする
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