能力強化 | ナノ
「つーかよォ、お前学校行ってねェのかよ」


珍しくアクセラレータが私の部屋に入って来るからなんだろうなと思っているとこんなことを言い出した。確かに学校はしばらく行ってない。だが別に私は学校なんか行かなくってもなんとかなるのだ。そういう家庭環境だし。私は部屋着姿でベッドでゴロゴロしながらひらひらとアクセラレータに手を振った。


「いいよいいよ別に。私学校なんか行かなくってもなんとかなるから」
「あァ?なんでだよ?」
「そういうもんなの。大体アクセラレータも行ってないっぽいしおあいこじゃん」
「俺はいいんだよ俺はァ。特例だからなァ。お前は別だろうが」
「じゃあ多分私も特例ってことで」
「はァ?」
「そういうもんなの」


アクセラレータは何か気になったらしく私の寝ているベッドにわざわざ座って来た。そんなに気になるのか。アクセラレータは私の頬をつねってなんだかSっぽい笑みを浮かべた。「オイ教えろ」「いひゃい」こいつ乙女の顔引っ張りやがって後でてめぇのコーヒー達がどうなったって知らないからななんて考えてると私の考えを読み取ったかのように私の頬を引っ張る手にさらに力が入った。


「いひゃいいひゃい!」
「だったら早く言えクソ女ァ」
「にゃんではくせられーたひょんなことひひたいの?(何でアクセラレータそんなこと聞きだいの?)」
「別に何でもねェよ早く言え犯すぞオラ」
「ぎゃー!わかったわかった!」


アクセラレータの脅しに(服の中に手突っ込まれてさすがの私も貞操の危機を感じた)私は仕方なく折れた。アクセラレータは偉そうにベッドに座りながら早く言えとでも言うようにこっちを睨んでいる。


「うちの親がそういう人なの」
「親ァ?」
「うちの親が、その……そこそこ金持ちなわけ」
「………」
「だから別に私が学校卒業しなくてもなんとかなるの。仕事も上に優秀な兄さんと姉さんいるし。ていうか私は出来が悪いから学園都市にほうり込まれたんだけどね」
「……」
「だから私が学校卒業なんかしなくても別に親がなんとかするみたいだし、卒業したとこで別に何もしたくないしすることもないし。どうせ親には諦められてるしね」


アクセラレータは黙って私の話を聞いていたが、私の話が終わるとばしんと私の頭を叩いて部屋を出て行った。何がしたかったんだあいつ。
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