能力強化 | ナノ
「アクセラレータアクセラレータ、私のプリン食べたでしょ」
「あァ?だからなンだよ」
「死んだ方がいいよ」
「つーか元々は俺の金だろォが」
「じゃあ私の金で買ったって言ったら食べなかった?」
「………」
「買って来いや」
「嫌だ」


ぶん殴ってやろうかと思ったがすぐにこいつの能力を思い出してやめた。下手したら反射を利用した超高速鉄拳が降って来そうだし(というか前にそれをやられた)。私がこのアクセラレータに連れ去られてから1ヶ月、私は完全に慣れていた。アクセラレータはとにかく手が先に出るような奴だった。私が何か気に食わないことを言えばすぐ頭を殴る叩くエトセトラ。私もそんなことされて黙っているような性分でもないので、私はそれにいつも騒いでいた。たまにうるさすぎると声さえも反射で聞こえなくするけど。


「アクセラレータぁ、私のプリンー」
「うるせェ黙れ」


これ以上何か言うとアクセラレータが何かしてきそうなので私は諦めることにした。私は冷蔵庫の中を探ってみたが、プリンの代わりになるような物は特に見当たらない。私は別に買いに行くほど欲しくないし、と思い、黙って自室に戻ることにした。アクセラレータは何も悪びれた様子もなくテレビを見ていた。あいつタンスの角に小指ぶつければいいのに。まあどうせ無理なんだろうけど。
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