恋枯らし | ナノ
ぷるるる、という機械的な音の後に、ぷつっという電話が繋がった音がした。私は上機嫌で電話先の相手に声をかけた。



「…ああ、幸次郎?久しぶり〜……っていっても昨日会ったばっかりだけどね。あはは。…それで明日だよね。どうする?…え?練習ぅ?鬼道が?ええぇせっかく会えると思ったのになあ。…いや幸次郎が謝ることじゃないよ。悪いのは鬼道だよ。急な練習いれやがってあの野郎……ごめんごめん冗談だって。…え?ああ、そうだよ。日本代表マネージャー!すっごいよね。日本代表だよ〜。まさか雷門にいて日本代表マネージャーになれるなんて思ってもいなかったし。……へ?浮気?いくら豪炎寺くんがかっこいいからってしないよ!…冗談!冗談だってば!もうそんな怒んないでよ。冗談だってば。あ、幸次郎も浮気すんなよ!……あはは、ごめんごめん。……え?鬼道?元気だよ。もうサッカー一直線って感じ。円堂くんのサッカーバカが移ったんじゃない?…まあ確かに天才だけどね。天才にはバカな面がひとつぐらいあっても良くない?……あはは、まあ確かに佐久間に聞かれたら殴られ……えっ佐久間いるの!?き、聞かれてないよね。……もしかして後ろで騒いでるのって佐久間…?…え?ちょっと待っ…!「おいてめえ鬼道さんの悪口言うな!」げっ佐久間!…あー知りません知りません。私言ってません。私じゃないデス。私日本語わかりマセーン!……あっはっはっはー。………えっ…?……。…私今から出かけるから無理だわごめーん!あ、あと幸次郎にかけ直すって言っといて。……おーそーリー。アイドントスピークイングリッシュ。アディオス〜佐久間アンド幸次郎。はいサヨナラ〜」


「お前の彼女受精卵からやり直した方が良いと思うぜ」

「今のままが一番だ」



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