意外なことにカクはブラックコーヒーが飲めないらしい。年寄りくさいしゃべり方するくせに案外おこさまなんだね!「砂糖と牛乳入れたら飲める」それはブラックて言わないし。てゆうかわたし砂糖だけで飲めるしね!勝った!じゃなくてさ!

「や、飲めないし返す!」
「いっかい受け取ったもんには責任持たんかい」
「ええそっちが間違って買ったんじゃん押し付けないでよ!」
「やるってゆうたら即答で受け取ったくせに」
「条件反射だよ!貧乏性なの!」

じゃなくてさ、いやタダでもらった缶コーヒーそりゃ苦手でも飲むけどさ、そうじゃなくて飲みかけってどうなのねぇ!わたしの葛藤をよそにカクはまったく分からないってゆう顔をしていた。あのねか、間接キスだよ!するとカクはあきれたみたいになんじゃそのくらいってゆった。まぁたしかにそうだけど、カクだとだめなんだよなんか!

「いっつもパウリーやルッチと回し飲みしとるじゃろ」
「いやそれはほら、別に気にならないってゆうか…」
「ふーん、わし嫌われとるんか」
「ち、ちがうちがう!」

ちがうんだよ嫌いなんかじゃなくて、なんでか分かんないけど、なんか、緊張しちゃうんだよどうして!

「別にいいわいどうせわしなんか」
「ちがうってばほんと!」
「ふーん?」
「…や、あの…だからさぁ、」
「なんじゃ?」
「………笑わないでね」
「おお笑わん笑わん」
「うわぁうそくさい笑顔」
「失礼なや、」
「緊張するから」
「……は?」
「だから、カクだとなんか緊張するからやなんだよ」

会話のどさくさに紛れて早口でこぼすと、カクはぽかんと間抜けな顔をした。おもしろい顔だなぁって眺めてたら今度はぎゅって口を結んで赤くなった。へんな顔。

「…カクさん?」
「それは、そうゆう意味ととらえてええんか?」
「え、何が?」
「…………いや、うむ。飲め」
「ええわたしの話聞いてた?」
「聞いとったわい」
「だからね、」
「いいことじゃよ」
「い?え?」
「それはのう、めちゃくちゃいいことなんじゃ」
「え、そうなの!」
「ああ、素晴らしくいいことじゃから安心して飲め」

なんだそうなんだ!ぐびっと缶コーヒーに口を付ければ、ちょっと緊張ぎみの脳にコーヒーのいい香りが届いた。けどやっぱり口の中は苦くて。

「わぁまずい………なにニヤニヤしてんの?」

なんでもないわいって言ってひとりでにやけるカク気持ちわるう。






すてき企画【きりんさんと一緒】に参加させていただきました(^^)/





2011/08/09 芽依

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