影山 | ナノ





俺はアンタが大嫌いだった。

アイツばかりを見て、俺には見向きもしない。追い求めるばかりで、とんだエゴイストだ。いつもアンタの中にはアイツがいた。そして確かに俺はアイツに負けた。けれど、俺だってそれなりにアンタの望むことをやったつもりだった。だから、悔しかった。だから俺は、アイツもアンタも大嫌いだった。

世界大会になっても、アンタはアンタのままだった。アンタはいつでも、いつまでもそのままなんだろう。でも、俺もアイツと一緒のチームなって、だんだんとアイツのことがわかってきた。

そして、気づいちまった。

俺も、アイツの、アンタが求めていたプレーが嫌いじゃない。確かにアイツは、俺にないものをもっていた。悔しいけどな。けど、俺には俺のプレーがあるし、アイツはアイツで俺は俺だ。負けっぱなしは性に合わねえ。いつかアンタにも、必ず俺のことを認めさせてやる。


だから、そっちでしっかり見てろ。



永久にそのままで
(ついでにアイツのことも)

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