影山 | ナノ





僕は、貴方の優しさを少しだけ知っています。彼を心から大切に思っていたということを、知っています。

僕と貴方の関係は、とても淡白で、とても曖昧なものだったけれど、僕は、本当の貴方の姿を少しだけ知っているんです。

以前、雷門イレブンとして勝ち上がっていく彼のことを耳にする度、とても穏やかな雰囲気をまとっていたこと。試合で彼が怪我をすると、密かに容態を気にかけていたこと。

そんな貴方を知る度に、不器用な人だなと、どうしようもない切なさを感じていました。


彼らと共に生きられなかったことを、貴方は悔やむのでしょうか。

それは貴方にしか知り得ないことです。けれどもし、未練があるというのなら、僕が代わりに、貴方の生きようとしていた未来を見つめていきたいと思います。


だから、安心して休んでください。

最期のレクイエム
(それは僕の願いでもあるから)
「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -