俺は、少しだけ光を視ました。
何でも出来るような気がしていた、誰にも負けないように感じていた。憧れ求めていた姿を掴むことが出来た。今、俺には何も見えないけれど、それでも、あのとき確かに俺は、光を、視たんです。
きっと俺ひとりじゃ届かなかった。貴方のおかげなのだと、そう思わずにはいられません。薄暗い路地で、ただボールを追いかけていただけの俺を、貴方が見つけてくれたから。
だから俺は、たとえ偽りであったとしても、栄光に手を伸ばすことが出来た。たとえ彼の身代わりであったのだとしても、貴方の役に立つことが出来た。
それだけで、俺はとても幸せでした
貴方は違うと言うかもしれないけれど、俺は確かに、決して叶わないはずの夢を、ちょっとだけ視ることが出来たんです。
俺は、貴方の犯した罪の証であり、貴方を愛した1人でありたい。
だから、どうか安らかに。
ほんの一瞬だけでも
(希望をくれてありがとう)