私はとりあえず神崎くんの所にいくことにした。彼は以外と義理人情に厚い漢なのでなんとかしてくれる気がしたのだ。しかし、たどり着いてみると彼は喧嘩中であった。
「かーんざーきくーん!お話があるんだけど!」
「状況見て考えろ!テメーを相手してる暇なんかねぇんだよ!!」
「だって、これかなり重要な話だよ?」
「あ?明日でも明後日でも聞いてやっから帰れ!」
むー…神崎くんは喧嘩に夢中で私の話なんか聞いてくれそうにない。じゃあ叫んでやる!
「神崎くん、私今日ブラ付け忘れたみたい!以上!喧嘩頑張れー」
「…まてまてまてぇぇええ!!」
帰ろうとしたらがっちりと神崎くんに腕を掴まれた。
「ば、バカか!!ンなことでけー声で言うモンじゃねーだろ!」
「なんで?」
「なんで…って馬鹿か…ここ石矢魔だぞ……?」
呆れた顔をして言われたけど、私だって今自分がいる学校位分かっている。それにしてもさっきから周りのバカたちの視線を一身に受けているような…。
「帰んぞ。」
「え?わわっ!」
私の腕を握ったままずんずんと歩き出した神崎くん。喧嘩はどうするのと尋ねたら、こう言った。
「……お前がほかの奴にいやらしい目で見られるのが嫌だから帰んだよ、」
「あ、そ、そっか……あのさ、神崎くん」
「なんだよ、」
「神崎くんって意外と…………………………独占欲強い?」
「っ空気読めバカ!そこは私は神崎くんしか見てないから大丈夫だよ。だろ!!!」
「神崎くん…痛いよ」
「お前本気で腹立つ」
(嬉しい、なんて素直に言えないんだもん)