「夏目くんその綺麗な髪をごそっと私にくれ。」
「は?なんで?嫌だよ。」
「理由も聞かずに断るなんて酷いっ!神崎くんに言いつけてやる!」
「うわーめんどくさいなこの女。」
「ふむ…そこまで言うなら理由を言ってやろう。」
「いや聞いてないし特に聞きたくもない」
「今日は大変風が強い。五歳児くらいなら吹っ飛ばされるかもしれない。」
「………ウン、ソーダネ。」
「だから私は髪をサァッとやってフアァッとなびかせてみたいのだ。」
「城ちゃん、ヨーグルッチ買いにいこう。神崎くんがまたイライラし始めそうだし。」
「みょうじはいいのか?」
「はぁ……ほら、なまえの好きなココア買ってあげるから行くよ。」
「行く!!!」
「だから髪は諦めなさい」
「はーい!」
(なんだかんだ手なずけてるな…夏目の奴…)