「神崎さんっなまえがお見舞いにきましたよ…って!ああああ!フランスパン!」
入ってきた途端うるさい声が病室に響く。昨日初めて見舞いに来たなまえは俺の姿をみて始終泣き通しだった。それが今日嘘みたいに笑っている。
「うるせーよなまえ。まあフランスパンは本当だけどな。」
「フランスパンだあ?表出ろコラ、」
「もーいいけど、外、出れないでしょ?」
「…………」
「あははははなまえちゃんの言う通りだねー」
なまえの思わぬ反撃に言葉を詰まらす姫川。はっ、いい気味だな。
「なまえ、」
「神崎さんっ」
「来い」
「はいっ!!」
呼ぶとなまえは嬉しそうに駆け寄ってくる。俺のベットの横に立ったなまえは普段より少し距離をとっている。ったく…にこにこ笑ってたってバレバレなんだよ…。
「…なまえ、俺はこんな怪我痛くも痒くもねぇ」
「はい」
それがどうしたんだろうと言いたげに俺を見返すなまえ。
「つまり、テメーみたいなガキが一人俺にしがみつこうが何しようが関係ねーってことだ。」
「い、いいの…?」
「あ?何がだボケ」
「だって…、う…ひっく」
俺に飛び付いて泣き出したなまえの頭をそっと撫でてやるとなまえは昨日の分を埋めるように腕の力を強くした。
(神崎くんが…デレ…た?)
(なんだよむっつりロリコンかと思えば、ベタ惚れロリコンじゃねーか)
(てめぇら後で殺す)
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女の子は、神崎さんの怪我に響かないようにボディタッチ←を控えてて、神崎さんは少し寂しかったっていう意味を込めた話。…わかりにくっ