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「ふ、ふらんすぱんが歩いてる!!!」


なまえは急にそう叫ぶと目にも留まらぬ早さで教室を飛び出した。


「フランスパン……」


(((あいつだな……)))


何故だかわからねえが夏目と城山と同じことを思ってることが分かった。



「きゃー!か、神崎さん!夏目おにいさん、城ちゃん助けて〜〜!!」


「…姫がお呼びだよ神崎くん」

「けっ」

「神崎さん、自分が行ってきま…」

「いい、俺が行く」


向かいかけた城山を制して立ち上がるとまた夏目がむかつく顔して笑った。



「ほぉ…神崎の女ってわけか、お嬢さん?」

「そ、そうよ!」


「あいつ女に興味なさそうな顔してっから使い物になんねーもの持ってんのかと思ってたぜ…ククッ」

「使い物になんないもの…?」


「あ?わかんねぇのか?じゃあ教えてや…」

「なまえ」

「神崎さん!助けて!!」


なまえは俺を見つけると全力で走ってきて足に抱き着いた。


「随分懐かれてんだなァ、ロリコンくん?」

「殺すぞ」


「なまえっつーのか…十年も経てばイイ女になる。ツバつけとくのも良いかもな」

「フランスパンの女になんかなるもんかっべーっだ!」

「だとよ」


「…まあいろいろ楽しそうだ。とりあえずロリコンに預けとく」



むかつく捨て台詞を残して消えた姫川。なまえはなまえでフランスパンって美味しいけど人型になると可愛くないんですね〜とか訳わからんことを言っている。


「疲れた。帰るぞ」


「…神崎さん、」


「あ?」

「なまえは神崎さんの女ですよね?」

「……知るか。」

「う…」

「勝手にしろ」

「…うん!勝手にする!なまえは神崎さんの女っ!」


にこにこと嬉しそうに笑いながら走っていくなまえ。これ教室で言い触らしたらまた夏目がむかつく顔して笑いそうで少し憂鬱になった…気がする。


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神崎さんをクールにすればいいのかロリコンにすればいいのかわからなくなってきた

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