アイラブスタンド! | ナノ

 本体と違わぬ鍛えあげられ引き締まった肉体。凛々しい目元に、全身から溢れ出る自信と力に満ちた輝きを放つ彼の姿は、何分、いや、何時間眺めていたって飽きないほど完成されている。強くて、セクシーで、寡黙。映画界が血眼になって探しているような素材を持っている彼に、思わずため息が零れた。

 もう1人の貴方に触れてもいいかしら、と承太郎に問うと、勝手にしろとばかりにそっぽを向かれたた。なら、好きにさせてもらうわと手を伸ばす。妙に質量を感じる肌に温かさはない。もちろん何も言葉を発しないスタープラチナに、ちょっとだけわたしの悪戯心が疼いた。

 疼いた勢いで、スタープラチナの頬に手を這わせ、その頬の反対にひとつキスを落としてみた。おい、勝手なことしてんじゃねーぞ、このアマ…と、いつの間にかわたしの行動を目視していたらしい承太郎の声が背後から聞こえたけれど、わたしにはそんなことどうでもよかった。わたしが勝手にキスしただけなのに、何故か、理由はまったく分からないのだけど、スタープラチナも、わたしのことを愛していると感じてしまったのだ。


「ねえ、わたしの、ことすき?」
スタープラチナは答えない。
「わたしのこと愛している?」
スタープラチナはやっぱり答えない。ただ、ひとつゆっくりと深い翠の瞳が瞬いた。それだけで、わたしは十分だった。

 


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