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「ゾロってば島に着いたのに自分から船番名乗り出て鍛錬づくめだなんて…」


私がゾロと同じく船番をしているウソップの隣で愚痴をこぼすと、ウソップは苦笑いしながら、いつものことだろーと金槌を振るう。また変なおもちゃでも作ってるんだろう。


「暇ぁ〜〜」
「だったら、おまえもナミたちと島に降りればよかったじゃねーか。」
「だってゾロと一緒にいたいんだもん。」
「…へいへい」

もうそれは聞きあきたと言わんばかりに顔をしかめるウソップを軽く睨み付けてから、サンジくんが作っておいてくれたカフェオレを飲み干した。


「甲板に出てる」
「おー。気を付けろよ一応。」


ウソップの言葉に手をひらひらとふって返事をする。外に出ると日差しの強さに思わず目を細める。そして目に飛び込んできたのは、相変わらずワケのわからない重さの重りをつけた木刀を振るゾロの姿。


「…………。」
「……鍛錬好きだねー」
「…………。」
「もういっそ筋肉と付き合えば?」
「…何わけわかんねぇこと言って…」
「ほんとゾロうざい。」
「ってめぇ!殴るぞ!」


ここまで言い合うと、ゾロはやっと一旦木刀を降ろした。今日初めて目があったかもしれない。

「…ずるいよ、」
「は?」
「全然かまってくれなくて、鍛錬ばっかしてて、そんなゾロが嫌いなのに……すごく好きなの。嫌いになれないの。」


こらえたはずの涙が一粒だけ頬をつたう。こんな女めんどくさいって自分でも分かっている。好きすぎて辛いってこういうことを言うのかな。


「ずるいのはおまえの方だろ。」
「?」
「俺は、……おまえが俺のところに来るのを待つだけだ。俺の方からお前のところに、行ける訳ねぇし、…」


え?思わずゾロを凝視すると、顔を逸らされた。…え?照れてるの?というか私がゾロに甘えに行くのを待っていたという解釈をしていいのだろうかこれは。自分勝手すぎる。……でも、嬉しい。


「ゾロ、かまって欲しい…よ。」
「……こっち来い。」


恥ずかしさをこらえて、素直に気持ちを吐き出すと、ゾロが呼んでくれた。私が近くまで歩いていくと、腕を引かれて、私は一瞬にしてゾロの腕の中。もっと早く来い馬鹿、なんて筋肉馬鹿に言われて少しムカついたけど、でも腕の力がいつもより強かったから、私は何も言わなかった。



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ゾロが初恋かもしれない(笑)
だいたいゾロ派かサンジ派で分かれますよね。中学生くらいまでは絶対ゾロ派!だったけど、最近はサンジにもきゅんってなります。



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