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※エセ京都弁

みょうじさんほど、広すぎると皆に指摘される僕のストライクゾーンど真ん中の女の子はきっと前世にも来世にも存在しないだろう。そう、朝一緒に学校へ向かう坊と子猫さんに熱弁をふるったところ、坊にはいい加減にしろやとどつかれ、子猫さんには、はははと苦笑いを浮かべられた。


「おんどれはその話を毎日聞かせる気か!」

「え?はい。そのつもりですけど?」

「そのつもりなんかい!」


坊が当たり前のことを質問してきたもんだから、笑顔で答えると、また鉄拳が飛んできそうになった。そんなやり取りをしていると、子猫さんがあ、みょうじさんですよ。と声を上げた。


「なっ!?どこどこどこですか!?あ!みょうじさん!おはようございます!」

「志摩くんだ〜おはよう!あ、勝呂くんに子猫丸くんもおはよう。」

「おはよう。」

「おはようございます。」

「みょうじさん、ほんま今日も制服がにあってはるわあ…」

「え?制服?」

「おん。」

「ありがとう志摩くん。」


僕は見たまま素直に事実を述べただけなのに、みょうじさんはちょっぴり赤く頬を染めて、例えるならば、太陽の光を浴びてきらきらと輝くあの向日葵のような笑顔で笑うものだから、僕の恋心は膨らむばかりだ。へへへ、とにやける口元を隠さずにいると、隣にいる坊がおもいっきり顔を歪めたのが目に入った。ああこりゃ後で気持ち悪いんじゃボケ!とか言われながら二発くらい飛んでくるかもなあと思ったけれど、今の僕にはそんなことはどうでもいいことだった。


「つーかみょうじもこんな奴に構わなくてええんやぞ!?」

「そうです、こんな煩悩の塊を甘やかしたら世の中がどんどん腐ってきますよ。」

「って、二人とも僕に厳しすぎません!?」

「あははっ、そうだね、甘やかせ過ぎかもね。」

「みょうじさんまで……酷い…。」


がっくりと肩を落とす俺をみて三人はまたどっと笑う。



「でも、きっとこれからも甘やかせちゃうなあ…私、志摩くんのこと好きだから。」

「……へ?」


う、嘘やろ…あのとびきりキュートで友達想いで優しくてめちゃめちゃかいらしくて、愛想もよくて頑張りやさんで素直で、天使が間違って人間界で暮らしてるんちゃうか!?って思うほど素敵なみょうじさんが僕のこと…好き、やと!?


「ぼ、僕もみょうじさんのこと…!」

「もちろん勝呂くんも子猫丸くんも好きだよ!」


僕たち三人の前でにっこりと笑うみょうじさん。…ってやっぱしそういうことかいっ!薄々そんな空気は感じてたけども!目から溢れる生暖かい液体はきっと汗だ。汗に違いない。隣を見たら坊も子猫さんもあからさまに頬を染めていて、僕はほんまに往生したくなった。




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